大学入試センター試験

センター試験 1日目解答

地理歴史

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公民

現代社会 倫理 政治・経済 倫理、政治・経済

国語

国語 

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センター試験 2日目解答

理科1

物理基礎 化学基礎 生物基礎 地学基礎 

数学1

数学I 数学I・数学A 

数学2

数学II 数学II・数学B 

理科2

物理 化学 生物 地学 

全体概観

比較地誌が前年までの2カ国から、3カ国の対比に変化した。 スマートフォンやTVアニメなど、多様な題材を扱う出題がみられた。 


大問数
減少 | 変化なし | 増加  
設問数
減少 | 変化なし | 増加  
マーク数
減少 | 変化なし | 増加  
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化  

・分量
前年並み。大問6題構成が2006年以降連続している。設問数・マーク数は前年と同様に35ずつであった。 大問ごとの配分は前年と同様であったが、第3問の設問数が増え、そのぶん第6問の設問数が減り、一昨年と同じに戻った。

・出題形式
組合せ式の問題が前年の12問から17問(6択式12問、4択式5問)に増加。そのぶん、文章の正誤判定問題は減少した。 例年同様に統計資料や図表を多用し、地理的な考え方や理解を問う問題が中心である。図表点数は大きく増加した前年(31点)とほぼ同じ32点で、そのうち写真は2点であった。

・出題内容
各大問の分野構成は例年通りである。産業の分野があてられる第2問では、2年続けて「資源と産業」が出題された。 地誌を扱う第4問で「西アジア」が取り上げられるのは2014年以来である。 また、新課程の実施に伴い2016年度から比較地誌が出題されている第5問だが、これまでの2カ国の比較形式から、3カ国の比較に変更された。

第2問では、スマートフォン製造に用いる資源や技術が取り上げられた。 第5問では、北欧の童話をモチーフにした「ムーミン」などの日本のTVアニメーションが題材となった。
第6問では、例年おなじみの新旧地形図の比較問題が出題されなかった。

年度

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2018

第1問

世界の自然環境と自然災害

6

6

17

第2問

資源と産業

6

6

17

第3問

生活文化と都市

6

6

17

第4問

西アジアとその周辺地域

6

6

17

第5問

北欧3カ国(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド)の比較

5

5

14

第6問

地域調査(岐阜県高山市)

6

6

18

2017

第1問

世界の自然環境と自然災害

6

6

17

第2問

資源と産業

6

6

17

第3問

都市・村落と生活文化

5

5

15

第4問

中国

6

6

17

第5問

スペインとドイツ

5

5

14

第6問

地域調査(長崎県壱岐島)

7

7

20

2016

 

 

第1問

世界の自然環境と自然災害

6

6

17

第2問

世界の工業

6

6

17

第3問

都市・村落と生活文化

6

6

17

第4問

ヨーロッパ

6

6

17

第5問

インドと南アフリカ共和国

5

5

14

第6問

地域調査(岩手県北上市)

6

6

18

2015

 

 

第1問

世界の自然環境と自然災害

6

6

16

第2問

世界の農業

6

6

17

第3問

都市と村落

6

6

17

第4問

南アメリカ

6

6

17

第5問

現代世界の諸課題

5

6

16

第6問

地域調査(北海道富良野市)

6

6

17

過去の平均点の推移

2017 2016 2015 2014 2013
62.34点 60.10点 58.59点 69.68点 61.88点

設問別分析

【第1問】世界の自然環境と自然災害

例年通り第1問は自然環境に関する出題であり、4年続けて自然災害に関する設問が盛り込まれた。全体的に標準以上の設問が並び、理解が不十分な受験生にはやや得点しづらい大問である。

問1 大地形の分布に関する理解が決め手となる。標準。
問2 それぞれの湖に関する知識ではなく、周辺の自然環境の理解が必要。
問3 成帯土壌チェルノーゼムに関する基本的な出題である。
問4 植生に関する文章の正誤判定だが、丁寧な判読が必要。
問5 サヘルに関する正誤判定だが、常識的にも判断できそうである。
問6 エルニーニョ現象に関する問題だが、冷静に考えれば難しくない。


【第2問】資源と産業

第2問は例年、産業分野に当てられている。そのうち「資源と産業」というテーマは2008、2011、2014、2017年と3年周期で出題されてきたが、この周期が崩れて2年連続の出題となった。得点しやすい設問が並んでいるので、ここで稼ぎたい。

問1 スマートフォンに用いる資源や技術の分布。ボーキサイトの判定が鍵。
問2 九州に分布する半導体産業の立地条件。基本的な理解があれば十分。
問3 世界の工業地域に関する文章判定。標準的な設問である。
問4 自動車産業に関する統計判定。アジアの判定だけなら難しくない。
問5 科学技術と農業に関する正誤判定。基本用語の理解が決め手となる。
問6 日本のサービス業の分布。大都市圏への集積度が判定のポイント。


【第3問】生活文化と都市

集落(都市・村落)に関する問題は2009年以降続けて出題されている。近年は生活文化との組み合わせが定番になっている。前年は設問数が一つ減ったが、本年は以前の6問に戻った。難問はみあたらないので、とりこぼしに注意したい。

問1 宗教に関する統計判定。ドイツ=新教と単純化していると、やや迷う。
問2 衣服の地域性に関する問題だが、文章から画像を思い浮かべたい。
問3 マレーシアの民族問題。用語の知識に関する標準的な設問である。
問4 都市人口に関する統計判定。できれば4カ国とも判定してほしい。
問5 旧城下町の都市景観に関する文章判定。これも4地点とも判断したい。
問6 日本の都市ごとの人口ピラミッドの判定。労働力の分布を考える。


【第4問】西アジアと周辺地域

地誌を扱う大問の地域として西アジアがとりあげられるのは、2014年以来である。やや難度の高い設問が並ぶ大問であった。

問1 地形環境に関する問題。アルプス=ヒマラヤ造山帯の位置を考える。
問2 農業生産に関する問題。D=アフガニスタンの知識は乏しいだろう。
問3 各国の宗教別人口の判定。「外国籍の住民を含む」が重要なヒント。
問4 産業と経済に関する3指標の判定。やや難しいので冷静に対処したい。
問5 外国からの訪問者と日本からの直行便の統計を判定する。難問である。
問6 3カ国における紛争に関する組み合わせ問題。正確な理解が必要。


【第5問】北欧3カ国の比較

新課程の実施に伴い2016年度からは比較地誌の大問に衣替えされた第5問だが、これまでの2カ国の対比であったものが、3カ国(ノルウェー・スウェーデン・フィンランド)の比較として出題された。地誌に関する標準以上の知識と理解が求められている。

問1 3地点の気温の年較差。ヨーロッパの気候における海洋の意味を考える。
問2 3カ国の発電エネルギー。頻出だが、地誌的な知識が必要である。
問3 3カ国の貿易統計判定。スを先に判定できれば、あとが決めやすい。
問4 アニメーションを題材にした設問。「海賊」「ウラル語族」が鍵。
問5 形式が目新しい統計判定。北欧=高福祉・高負担という理解が必要。


【第6問】地域調査(岐阜県高山市)

例年通り地理A(第5問)との共通問題である。設問数は、昨年一つ増えたものが、元に戻されて6問となった。例年出題される新旧地形図の比較がなかった。全体としては標準的な難易度の大問である。

問1 3都市の気候判定。日本海側・太平洋側・内陸の特徴をつかむ。
問2 統計地図における指標の意味が分かっていれば、常識で判断できる。
問3 会話文の判定。会話内容を丁寧に読解しないと混乱しそうである。
問4 地形図の判読。基本的な地図記号の知識で判定可能である。
問5 観光に関する統計の読み取り。下線部だけを見ていると間違いやすい。
問6 標高と植生帯との組み合わせ。一般的な理解を当てはめて考える。

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