大学入試センター試験

センター試験 1日目解答

地理歴史

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公民

現代社会 倫理 政治・経済 倫理、政治・経済

国語

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センター試験 2日目解答

理科1

物理基礎 化学基礎 生物基礎 地学基礎 

数学1

数学I 数学I・数学A 

数学2

数学II 数学II・数学B 

理科2

物理 化学 生物 地学 

全体概観

出題形式に変化はないが、幅広い知識が必要な出題が増えた 


大問数
減少 | 変化なし | 増加  
設問数
減少 | 変化なし | 増加  
マーク数
減少 | 変化なし | 増加  
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化  

出題形式は大問6問、小問36問と、過去5年と同様であった。昨年と同様、第1問と第3問の小問が8問、その他が5問という形式であった。統計を読み取る形式の設問も例年通り2問出題された。そのうち第6問の問3では与えられた条件による判断推理が必要となっているが、グラフや統計の数値、および与えられた条件をもとに計算や推理をして選択肢を吟味すれば正解にたどりつける内容であった。3つの内容の正誤をすべて判別する問題が4問出題され、昨年の2問より増加した。第3問問2のように、条件を基に論理的な思想力を問うものもあり、共通テストの傾向を先取りする出題と言える。また、第3問問4で、昨年に引き続いて世界遺産関連の設問で選択肢ごとに写真が付く形態の出題があったが、写真は解答には影響を与えないものであった。

18歳選挙権、パリ協定、六次産業化など、次期課程で重視される事項、時事的要素や教科書には出ていない用語があったものの、全体としては時事的要素の占めるウエイトはリード文の印象ほど高くない。また一部の設問で教科書レベルを超えていたり、細かい学習が必要な事項も含まれているため、理論的事項の学習の徹底が要求されるものとなっている。倫理的要素は、昨年出題されなかった「青年期」が出題されるなど、前年をやや上回るウエイトであった。全体的に一般常識で判断できる設問は昨年同様ほぼ存在しないため、主として「政治・経済」分野での着実な学習が要求される出題となった。

政治・経済、および現代社会の諸問題に関する事項が融合した出題傾向が進んでいるため、大問内での出題範囲の広さにとまどう受験生が一定数いたと思われる。さらに、通常の設問形式よりも正答にたどりつきやすい適当でないものを選ぶ問題が昨年よりも減った。幅広い分野において正確な知識が問われる出題が増えたと言える。

年度

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2018

 

 

 

第1問

企業と労働、地域問題(会話文)

8

8

22

第2問

選挙権の18歳への年齢引き下げ

5

5

14

第3問

発達段階、環境問題

8

8

22

第4問

ロボットと社会問題

5

5

14

第5問

経済思想

5

5

14

第6問

環境問題

5

5

14

2017

 

 

 

第1問

環境

8

8

22

第2問

民主政治

5

5

14

第3問

日本の景気動向や経済情勢(会話文)

8

8

22

第4問

歴史的建造物と建築規制

5

5

14

第5問

国際機関

5

5

14

第6問

経済の仕組みと景気

5

5

14

2016

 

 

第1問

幸福の追求と社会

8

8

22

第2問

私たちの生きる社会

5

5

14

第3問

環境問題と行政(会話文)

8

8

22

第4問

GDP(国民総生産)と経済

5

5

14

第5問

青年期

5

5

14

第6問

グローバル化と現代社会

5

5

14

2015

 

 

第1問

権利と法制度

8

8

22

第2問

市場メカニズム

5

5

14

第3問

主権国家と地域経済統合

8

8

22

第4問

日本の環境・農業

5

5

14

第5問

情報化社会と人間

5

5

14

第6問

国際機構と人権

5

5

14

設問別分析

【第1問】地域活性化と経済社会
リード文は、昨年に引き続きボランティアなど近年重視される内容を織り交ぜたもので、地域活性化をテーマとしたものであった。設問は、経済分野を中心とした出題である。企業や労働者に関する制度や経済社会に関する理論的事項だけでなく、地域振興や地方自治に関する内容をも総合的に問う内容であった。全体の出題傾向およびレベルとしては、理論的事項をオーソドックスに問うていて、理論的事項の確実な理解が必要となっている。問8では資料読解問題があったが、特別の知識は必要ない。

【第2問】議会と民主政治制度
リード文は2016年の参議院選挙を素材にしており、18歳選挙権および主権者教育について取り上げている。議会や選挙などの民主政治制度に関して、日本だけでなくアメリカの政治制度、国会議員および地方議員などの観点から出題された。一定の学習を積んだ受験生にとっては実力を発揮しやすい設問内容であり、点を取りこぼさないことが求められているといえる。問4で昨年出題がなかった青年期に関する要素を含んだ出題があった。

【第3問】データと現代社会の諸問題
データ活用に関するリード文から、現代社会に存在するさまざまな問題についての内容を環境、資源などを軸として総合的に出題された。出題範囲が広いが、戸惑わずに選択肢を検討できる知識、およびセンター試験の出題傾向への慣れがあったかどうかが問われる内容となっている。問2では昨年の第4問問3同様、法的論理に基づく思考能力を試す出題となっているが、素直な読解で分類できる内容であった。問4は昨年に続いて、世界遺産について、写真を掲載して尋ねる出題形式であった。問6では資料読解問題が出題されたが、特別の知識は必要なく、資料を読み取ることで解答できる。問8で昨年第1問問8同様、リード文全体の内容を確認させる出題があったが、組合せ形式が適用されたため若干難易度が上がっている。

【第4問】ロボット技術の進歩と人間の精神
ロボット技術の進歩と問題点をテーマにして、コミュニケーションや価値観といった切り口から倫理的事項を中心に尋ねた設問。ただし問2は日本の高齢者向け社会保障制度に関する出題であった。また問3は課題追究学習についての出題である。

【第5問】新自由主義と社会への影響
新自由主義の考え方とその影響というテーマのもと、経済分野について尋ねた大問である。時事的要素はなく、理論的事項が理解できているかがどうかが問われており手ごわい大問となっている。問3は2013年以来の比較生産費説に関する出題で、計算をしたうえで選択肢を吟味する必要があったため、若干時間がかかった受験生がいたことが想定される。

【第6問】地域環境問題と各国の取り組み
国際的な温暖化対策への各国の取り組みをテーマとして、環境を中心とした国際社会の理論的事項を中心に出題されている内容であった。問3はパリ協定に関する出題であるが、与えられた資料を基に計算すれば解答できる。

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