地理A 
 
  
  昨年と比べて、大問数・設問数・マーク数に変化はないが、出題内容は昨年よりやや難化。  
      
    
      | 大問数 | 
      減少 | 変化なし | 増加  | 
     
        
      | 設問数 | 
      減少 | 変化なし | 増加  | 
     
        
      | マーク数 | 
      減少 | 変化なし | 増加  | 
     
        
      | 難易度 | 
      易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化  | 
     
     
  大問5題、設問数・マーク数36で、分量的には昨年と変化はない。内容面については、例年どおり、統計表や地図、写真、グラフ、分布図、地形図などの資料が多用されており、知識だけでなく図表等の読み取り力が要求されている。文章の正誤判定問題では昨年よりもやや高度な知識が必要なものが含まれているほか、図表を判定する問題についても、最後の決め手となる判断がやや難しい問題が目立つ。よって、全体的に難化した印象を受ける。 
 【出題フレーム】 
   | 
大問  | 
出題分野  | 
設問数  | 
マーク数  | 
配点  | 
 
2007  | 
第1問   | 
地理の基礎的事項   | 
8  | 
8  | 
16  | 
 
第2問   | 
現代世界の結びつきと交流   | 
7  | 
7  | 
21  | 
 
第3問   | 
日本の近隣諸国の自然と人間活動   | 
7  | 
7  | 
21  | 
 
第4問   | 
地球的課題と国際協力   | 
7  | 
7  | 
21  | 
 
第5問   | 
地域調査(青森県八戸市)   | 
6  | 
7  | 
21  | 
 
2006  | 
第1問  | 
地理の基礎的事項  | 
8  | 
8  | 
16  | 
 
第2問  | 
現代世界の結びつき   | 
6  | 
7  | 
21  | 
 
第3問  | 
歴史的町並み   | 
6  | 
7  | 
21  | 
 
第4問  | 
ヨーロッパの文化・生活   | 
6  | 
7  | 
21  | 
 
第5問  | 
現代の地球的課題やそれらへの取組み   | 
6  | 
7  | 
21  | 
 
2005  | 
第1問  | 
ユーラシア大陸の自然と人々の生活・文化   | 
7  | 
7  | 
20  | 
 
第2問  | 
世界の生活と文化   | 
7  | 
7  | 
20  | 
 
第3問  | 
人や物の移動・交流   | 
7  | 
7  | 
20  | 
 
第4問  | 
現代世界の特徴と課題   | 
7  | 
7  | 
20  | 
 
第5問  | 
地図と地理情報   | 
7  | 
7  | 
20  | 
 
 
過去17年間の平均点
| 2006 | 
2005 | 
2004 | 
2003 | 
2002 | 
2001 | 
2000 | 
1999 | 
1998 | 
 
  | 62.67点 | 
65.68点 | 
59.97点 | 
48.11点 | 
56.54点 | 
60.05点 | 
46.21点 | 
51.05点 | 
59.68点 | 
 
  | 1997 | 
1996 | 
1995 | 
1994 | 
1993 | 
1992 | 
1991 | 
1990 | 
  | 
 
  | 57.01点 | 
62.75点 | 
72.35点 | 
77.05点 | 
69.47点 | 
62.74点 | 
60.50点 | 
65.86点 | 
  | 
 
 
 
 
  【第1問】地理の基礎事項
 
地図投影法・時差・自然環境などに関する総合雑題である。いずれの小問も標準的なレベルの出題であり、とりこぼしなく正答したい内容といえる。全体的にやや易。 
 
 
【第2問】現代世界の結びつきと交流
 
貿易・運輸・観光など国家間の結合に関する出題で、地理Aの頻出テーマである。
 
問1〜3の統計問題は、基本的理解があれば判別可能。問4は都市名の知識が必要であるが標準的。問5では近年話題になっているタコの輸入相手国を問われている。また、問7の(3)にある「フェアトレード」の語句理解はニュースに対する問題意識の有無が決め手になりそうである。標準的。
 
 
【第3問】日本の近隣諸国の自然と人間活動
 
中国・ロシア・朝鮮半島などの国々の地誌や日本とのつながりに関する出題。どの教科書でも章立てされている項目なので、受験生にはしっかり対応してほしい大問であった。前半の小問は基本的だったが、後半の統計を使った問題は、表の読み取り自体も複雑なうえ、内容的にも判断に迷う出題であった。特に問7は受験生には近年の北朝鮮に対する経済制裁の印象が強いだけに、ミスしやすい設問となってしまったかもしれない。標準〜やや難。
 
 
【第4問】地球的課題と国際協力
 
人口・食料・環境などに関する出題であった。なかでも国際協力については、地理Aの頻出テーマのひとつである。
 
問4の石灰散布の写真は、類似のものが過去問(1999年度地理B本試験第1問・問5)に出題済みである。問7の文化遺産に関する問題は、世界史的な知識があれば比較的取り組みやすかったかもしれない。標準。
 
 
【第5問】地域調査(青森県八戸市)
 
日本のある地域を題材にした地域調査に関する大問である。本問の問1から問5までが地理Bと共通である。例年出題されていた常識的に判断できる易しい小問は少なく、難易度はやや高いと言えよう。やや難。 
   
 
  
 センター試験地理Aは、世界の生活文化や国家間のつながりを中心に、ごく基礎的な知識をベースとした情報処理・思考・判断の能力を試す出題が中心です。断片的な知識の羅列ではなく、つながりを意識した学習の積み重ねが必要です。とくに、貿易や人的交流などの国家間の結合に関する統計は重要です。また、衣食住など世界各地の民族や文化に関する広い素養を作っていきましょう。そのためには、テレビのクイズ番組やニュース、新聞記事などへの日ごろからの関心も求められます。地図や図表などの資料、特に写真を使った出題の割合が高いのはセンター地理Aの典型的な特徴であり、こうした資料問題や6択問題など出題形式への慣れも必要です。また、時間配分もゆとりはありません。そのために、過去問演習はもちろん、東進のセンタープレ入試を定期的に受験しておくことをすすめます。  
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