地理B
統計問題を中心に難化、平均点の低下が予想される。
大問数 |
減少 | 変化なし | 増加 |
設問数 |
減少 | 変化なし | 増加 |
マーク数 |
減少 | 変化なし | 増加 |
難易度 |
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
マーク数が昨年より1つ増え、形式面でも6択・7択の問題数が全体の半分以上の20問と増加した。
内容的には、統計を用いた図表の問題に判断に迷うものが多く、受験生を苦しめたのではないだろうか。
正誤判定問題についても、やや高度な内容や、日常の学習では手の回らない事項などに関する選択肢が見られた。
その一方、ほとんど地理を学習していなくても答えられるような「常識問題」はほぼ姿を消している。
よって難化していると思われ、平均点も低下するのではないだろうか。
【出題フレーム】
|
大問 |
出題分野 |
設問数 |
マーク数 |
配点 |
2007 |
第1問 |
世界の自然環境と自然災害 |
6 |
6 |
16 |
第2問 |
世界の工業 |
6 |
6 |
16 |
第3問 |
世界における都市の発展や都市問題 |
6 |
6 |
16 |
第4問 |
アフリカの地誌 |
6 |
6 |
17 |
第5問 |
現代世界の課題 |
6 |
6 |
17 |
第6問 |
地域調査(青森県八戸市) |
5 |
6 |
18 |
2006 |
第1問 |
地理の基礎的事項 |
5 |
5 |
10 |
第2問 |
地域調査(函館市) |
6 |
6 |
18 |
第3問 |
世界の自然環境 |
6 |
6 |
18 |
第4問 |
資源と産業 |
6 |
6 |
18 |
第5問 |
ラテンアメリカの地誌 |
6 |
6 |
18 |
第6問 |
現代世界の諸課題 |
6 |
6 |
18 |
2005 |
第1問 |
世界の自然環境 |
7 |
7 |
20 |
第2問 |
世界の産業と都市化 |
7 |
7 |
20 |
第3問 |
中国を中心としたアジア地域 |
7 |
7 |
20 |
第4問 |
現代世界の特徴と課題 |
7 |
7 |
20 |
第5問 |
地図と地理情報 |
7 |
7 |
20 |
2004 |
第1問 |
南極を中心とした地域の地誌 |
7 |
7 |
20 |
第2問 |
アジアの農業生産と食料の流通・消費 |
7 |
7 |
20 |
第3問 |
地中海沿岸地域の自然と生活 |
7 |
7 |
20 |
第4問 |
世界および日本の都市と人口 |
7 |
7 |
20 |
第5問 |
松本盆地・諏訪盆地周辺の地域調査 |
7 |
7 |
20 |
過去17年間の平均点
2006 |
2005 |
2004 |
2003 |
2002 |
2001 |
2000 |
1999 |
1998 |
65.13点 |
70.22点 |
62.11点 |
54.99点 |
66.34点 |
63.55点 |
58.22点 |
62.27点 |
77.23点 |
1997 |
1996 |
1995 |
1994 |
1993 |
1992 |
1991 |
1990 |
|
67.34点 |
62.75点 |
72.35点 |
77.05点 |
69.47点 |
62.74点 |
60.50点 |
65.86点 |
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【第1問】世界の自然環境と自然災害
地形環境、気候環境および自然災害に関する出題であるが、過去に類題の多い基本的な内容。問6のハザードマップに関する正誤問題はやや迷うところだが、具体的な地震災害を想起すれば判断できよう。難易レベルはやや易しい。
【第2問】世界の工業
世界および日本の工業・工業地域にかんする出題で、近年では珍しく問2・問3などで具体的に個別の工業地域・工業都市に関して問うている点が注目される。問4は中国に関して「西部大開発」の語が登場するなど、やや高度。ただし、レベル的には過去問(1999年度第3問問4)の焼き直しである問6などをふくみ標準的。
【第3問】世界の都市
都市の発展や都市問題に関する出題である。このテーマ自体は頻出だが、問1・問3などの正誤判定はやや迷うところであり、問5・問6の図表の読み取りも高い判断力が必要。問5では、ベッドタウン・地方の中心都市・工業都市といった各都市の性格を基に考えたい。やや難レベルの大問である。
【第4問】アフリカの地誌
アフリカの地誌を正面から問う出題は1997年以来である。やはりセンター試験対策は満遍なく学習することが大切である。問2の出題内容は過去問(1997年度第5問問2)に類題がみられる。問5の正誤判定は受験生には難しい。問6で、ノーベル賞受賞者の出身国というユニークな出題があったが、もちろん文章の内容から国を判断する。標準〜やや難。
【第5問】現代世界の課題
人口・食料・民族などの問題と南北格差に関する総合的な出題である。とくに、統計問題のうち問1・問3・問4・問6などは受験生を悩ませたのではないだろうか。近年のセンター試験としては難レベルの問題であろう。
【第6問】地域調査
例年通りの、日本のある地域を題材にした地域調査に関する大問である。ただし、毎年出されていた常識的に判断できる易しい小問は少なく、難易度的にはかなり高いと言えよう。たとえば問5の水揚量の問題は昨年の北海道のものと似ているが、昨年と違い魚種についてのヒントがない。
センター試験地理Bは、ごく基礎的な知識をベースとした情報処理・思考・判断の能力を試す出題が中心です。
単なる知識や地名・用語の詰め込み学習でなく、「なぜそうなるか」を理解した上での知識の積み重ねが必要です。
地形・気候・産業などの系統的分野のウエイトが高いのですが、
他地域との比較に重きをおいた地誌(地域ごとの学習)の準備も欠かせません。
とくに、世界各地の民族や文化に関する広い知識を養うようにしましょう。
そのためには、テレビのニュースや新聞記事への日ごろからの関心も求められます。
地図や図表などの資料を使った出題の割合が高いのはセンター地理の典型的な特徴であり、
こうした資料問題や6択問題など出題形式への慣れも必要です。また、時間配分もゆとりはありません。
そのために、過去問演習はもちろん、東進のセンタープレ入試を定期的に受験しておくことをすすめます。
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