数学I・数学A 
 
  
  計算量が増加。一手目から難しい大問もあり、難化。  
      
    
      | 大問数 | 
      減少 | 変化なし | 増加  | 
     
        
      | 難易度 | 
      易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化  | 
     
     
  選択問題なしの大問4題の構成は昨年度と変化がなかった。また、各大問の分野構成も昨年と同じ。第1問後半で、集合が題材として扱われていることが目新しい。また昨年と比較して、第1問の配点が25点から20点へ、第3問の配点が25点から30点へと変わり、図形問題の比重がより大きくなった。
細かい数値の評価などで時間をとり、また、図形の問題でははじめの第一歩が見えにくいものもある。さらに確率ではパターン数の数え間違いが後半に影響を与えることもあるので、全体として昨年より難化したといえよう。
 
 【出題フレーム】 
   | 
大問  | 
出題分野  | 
配点  | 
 
2007  | 
第1問  | 
方程式と不等式  | 
20  | 
 
集合と論理  | 
 
第2問  | 
2次関数  | 
25  | 
 
第3問  | 
図形と計量,平面図形  | 
30  | 
 
第4問  | 
場合の数と確率  | 
25  | 
 
2006  | 
第1問  | 
方程式と不等式  | 
25  | 
 
集合と論理  | 
 
第2問  | 
2次関数  | 
25  | 
 
第3問  | 
図形と計量,平面図形  | 
25  | 
 
第4問  | 
場合の数と確率  | 
25  | 
 
2005  | 
第1問  | 
2次関数  | 
40  | 
 
確率  | 
 
第2問  | 
数と式  | 
40  | 
 
三角比  | 
 
第3問  | 
数列(1問選択)  | 
20  | 
 
第4問  | 
平面幾何(1問選択)  | 
20  | 
 
第5問  | 
コンピュータ(1問選択)  | 
20  | 
 
2004  | 
第1問  | 
2次関数  | 
40  | 
 
確率  | 
 
第2問  | 
数と式  | 
40  | 
 
三角比  | 
 
第3問  | 
数列(1問選択)  | 
20  | 
 
第4問  | 
平面幾何(1問選択)  | 
20  | 
 
第5問  | 
コンピュータ(1問選択)  | 
20  | 
 
 
過去17年間の平均点
  | 2006 |  
2005 | 
2004 | 
2003 | 
2002 | 
2001 | 
2000 | 
1999 | 
1998 | 
 
| 62.36点 |  
69.43点 | 
70.17点 | 
61.17点 | 
63.78点 | 
64.87点 | 
73.68点 | 
50.71点 | 
63.45点 | 
 
  | 1997 |  
1996 | 
1995 | 
1994 | 
1993 | 
1992 | 
1991 | 
1990 | 
  | 
 
  | 66.40点 |  
51.54点 | 
56.41点 | 
56.80点 | 
69.14点 | 
56.93点 | 
50.72点 | 
73.37点 | 
  | 
 
 
 
 
  【第1問】  方程式と不等式・集合と論理    
 
[1](数と式)
 
絶対値を含んだ二次方程式の解に関する問題。無理数の大小の評価がポイントである。絶対値付きなので、解の個数などで間違いやすい。
 
 
[2](論理)
 
倍数に関する問題であり、具体的に書き出してみると早い。(2)はベン図をうまく書けば完答できるだろう。難易度は昨年並み。
 
 
 
【第2問】  2次関数   
 
頂点の決定、頂点の位置に関する問題、関数の最大・最小を問う問題。(1)の最後の設問が考えづらく、昨年よりもさらに難化した。計算量の多い(2)では、放物線の対称性をイメージしながら手早く処理できたかどうかが分かれ目になったと思われる。
 
 
 
【第3問】  図形と計量・平面図形   
 
昨年の立体から平面に戻ったが、計算量も多く、昨年よりは難化した。円に内接する三角形、四角形に関する問題であり、その性質をよく知っていればやりやすい。相似形を見つけて処理するところが後半のポイントか。比を求める問いが多かった。
 
 
 
【第4問】  場合の数と確率    
 
さいころを投げた目によって、正六角形の辺上の点を動かす問題。(2)の最後は余事象を用いればよいが、それ以前に、非常にダブルカウントをしやすい設定で、マークの桁数が合わずに焦った受験生が多かったと思われる。時間内の完答はかなり難しいといえよう。
 
90年の追試験の第3問と類似した設定の出題であった。
 
 
   
 
  
 いかに早期に試験問題の出題の狙いと傾向を知り、対策学習を始めるか。このことが最大のポイントとなります。
 
数学I・Aは、高校数学の土台ともいうべき分野なので、センター試験においても基本の理解を問う出題が多くなっています。ですから、まず基本を確実に理解して学習を進めていくことが必須です。
 
学習の順序として、いきなり入試レベルの問題に取り組むのではなく、教科書の例題、練習問題、節末問題、章末問題レベルへと、少しずつステップアップしていくのが一番の近道です。「計算を最後までやり抜く」ことや「図やグラフを描いて考えること」などといったことを地道に積み重ねることによって、基本を確固たるものにしましょう。
 
また、解法の暗記に頼るのではなく、きちんと理解して先に進むような勉強を心がけましょう。物事を理解するとは、その道理や筋道がわかり、自ら考えることができるようになることです。理解して先に進むような勉強を繰り返すことで、受験だけでなく、将来社会に出ても役立つ本当の力をつけることができます。
 
東進では2ヶ月毎に実施されるセンター試験と同レベルの“センタープレ入試”があります。センター試験の傾向、自分の現在の力を知り、さらに不得意分野・弱点を明確にして対策学習をスタートするのに大いに役立つでしょう。  
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