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センター試験 1日目解答

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センター試験 2日目解答

理科1

物理基礎 化学基礎 生物基礎 地学基礎 

数学1

数学I 数学I・数学A 

数学2

数学II 数学II・数学B 

理科2

物理 化学 生物 地学 

全体概観

選択問題が昨年の熱力学と原子物理から波動と原子物理に変更され、小問集合の配点が昨年よりも高くなった。 


大問数
減少 | 変化なし | 増加  
設問数
減少 | 変化なし | 増加(+2)  
マーク数
減少 | 変化なし | 増加(+2)  
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化  

大問数は選択を含めて6題で昨年と変わらなかったが、昨年まで選択問題であった熱力学が必答問題となり、第3問Bで出題された。一方、昨年まで第3問A、Bの出題であった波動は、第3問Aと選択問題である第5問の合計2大問での扱いとなった。また、小問集合が昨年の5小問20点から5小問25点になって配点が高くなり、昨年2小問あった組合せ問題の部分点がなくなった。

第1問小問集合では、運動量保存則、力のモーメントのつりあい、電気力線、凸レンズがつくる実像、音波の性質について出題された。

第2問電磁気では、A平行板コンデンサーへの金属板挿入、Bコイルでの電磁誘導とダイオードによる整流作用について出題された。

第3問では、Aは波動からくさび形空気層による光の干渉、Bは熱力学から単原子分子理想気体の状態変化について出題された。

第4問力学では、A円錐内部での小物体の運動、Bエレベーター内の物体に作用する慣性力について出題された。

第5問は第3問Aに続いて波動からの出題で、ドップラー効果について問われた。

第6問原子物理では、放射線と原子核反応について出題された。

必答問題と選択問題の出題分野が一部変更になったが、全体として見ると分野の偏りなく多くのテーマから広く出題されている。また、昨年に比べてマーク数が増加し、1問あたりにかけられる時間が減った。基本的な内容からの出題も多く、日ごろの演習量で差がついた可能性が高い。難易度はやや易と言えるだろう。

年度

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2017

第1問

小問集合

5

5

25

第2問

電磁気

4

5

20

第3問

波動、熱力学

5

5

20

第4問

力学

5

5

20

第5問

1問
選択

波動

3

3

15

第6問

原子物理

3

3

15

2016

 

 

第1問

小問集合

5

5

20

第2問

電磁気

4

5

25

第3問

波動

4

4

20

第4問

力学

4

4

20

第5問

1問選択

熱力学

3

3

15

第6問

原子物理

3

3

15

2015

 

 

第1問

小問集合

5

5

20

第2問

電磁気

4

4

20

第3問

波動

4

4

20

第4問

力学

5

5

25

第5問

1問選択

熱力学

3

3

15

第6問

原子物理

3

3

15

過去の平均点の推移

2016 2015
61.70点 64.31点

設問別分析

【第1問】小問集合
問1では、衝突直前・直後での運動量保存則の式を立てて考えればよい。
問2では、力のモーメントのつりあいの式は、端Aのまわりについて考える。
問3では、等電位線の図と混同しないようにして選択する。
問4では、イはレンズの式でfが一定のとき、aが大きくなるとbがどう変化するかを考える。
問5では、ウは音速と温度の関係、エは屈折の法則を用いて考える。


【第2問】電磁気
Aは平行板コンデンサーへの金属板挿入についての出題である。
問1では、極板間に金属板を挿入することで静電誘導が生じ、金属板内部の電場が打ち消されて等電位になることを利用してグラフを選択する。

問2では、極板間に金属板を挿入すると、金属板の厚さの分だけ極板間距離が短くなったと考えられることを利用する。

Bはコイルを貫く一様な磁場が時間変化する場合の電磁誘導とダイオードによる整流作用からの出題である。
問3では、コイルを貫く磁場が変化したとき、誘導起電力が生じることから考える。
問4は、ダイオードが左から右に向かってのみ電流を流すことに注意して、コイルを貫く磁束の時間変化から求める。


【第3問】波動・熱力学
Aはくさび型薄膜による光の干渉に関する問題である。
問1では、ガラス板Bの上面で反射する光の位相が反転することに注意して、光の干渉の式を立てる。
問2では、アはガラス板Bの上面とガラス板Aの下面で反射するとき、それぞれ光の位相が反転することから考え、イは液体を満たしたときの光の波長がどう変化するかから考える。

Bは単原子分子理想気体の状態変化の問題である。
問3では、単原子分子理想気体の内部エネルギーの式から考える。
問4では、状態A、Bでボイル・シャルルの法則を適用する。
問5では、気体の内部エネルギーの変化量と気体がされた仕事をnRT0で表し、熱力学第1法則から求める。または、定圧モル比熱から考えてもよい。


【第4問】力学
Aは円錐面内での小物体の運動の問題であった。
問1では、軸を含む円錐の断面を考えて、斜面上の等加速度運動として求める。
問2は鉛直方向の力のつりあいの式と、軸に垂直な断面における円運動方程式をたて、半径を求める。
問3では、力学的エネルギー保存則を使って考えると簡単に求めることが出来る。

Bは慣性系と非慣性系での滑車に取り付けられた物体の運動の問題であった。
問4では、2物体の運動方程式を立てて糸の張力の大きさTを求める。
問5では、慣性力を考えて糸の張力を求め、同じ大きさの張力でばねが引かれていることから求める。


【第5問(選択)】波動
ドップラー効果に関する問題である。
問1では、運動する観測者からは、みかけの音速は変化するが波長は変化しない。
問2では、音源が動く場合には、波長が短くなることに注意したい。
問3では、まず反射板を観測者として考え、次に反射板を音源と考える。


【第6問(選択)】原子
放射線と原子核反応に関する問題である。
問1では、放射線の性質と単位について理解できているかどうかで差がつく。
問2では、質量欠損と質量とエネルギーの等価性から求める。
問3では、反応前後の電荷(原子番号)と質量数の保存、および結合エネルギーの差から求める。