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物理
全体概観

必須問題4題、選択問題2題が出題された。また、原子物理は選択問題の大問として出題されている。 

大問6題形式、分野は第1問小問集合、第2問電磁気、第3問波動、第4問力学、第5問熱力学第6問原子物理であり、第5問熱力学と第6問原子物理が選択問題となった。すべての範囲から、万遍なく出題されている。新課程での新しい出題範囲である原子物理は、選択問題で大問として出題される形となった。

第1問小問集合では、波の回折による現象の理解、点電荷による静電気力、単振動と摩擦力、状態方程式、剛体のつり合いが出題された。第2問電磁気では、Aダイオードの整流作用と交流電源の時間変化・消費電力、Bサイクロトロンによる荷電粒子の加速実験、どちらも旧課程では範囲外の内容が出題されている。第3問波動では、A屈折の法則、B波の干渉。第4問力学では、A水平投射となめらかな壁への衝突、B2つのばねに連結された物体に関する運動が出題された。第5問熱力学では、断熱圧縮、等温圧縮、定圧圧縮に関する気体の状態変化が出題されている。第6問原子物理では、金箔にα粒子を照射するラザフォードの大角度散乱に関する実験、ボーアの原子模型および量子条件が出題された。

旧課程物理Tと比べて、大問数が増えたにも関わらず設問数は減少しているため、あまり深い考察まで踏み込んでいない。しかし、出題テーマは多岐に渡り問題の設定を把握するのに時間がかかるため、時間配分に苦労した受験生も多かったと思われる。 全体として、難易度は標準からやや難と言えるだろう。

年度

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2015

 

 

第1問

小問集合

5

5

20

第2問

電磁気

4

4

20

第3問

波動

4

4

20

第4問

力学

5

5

25

第5問

1問選択

熱力学

3

3

15

第6問

原子物理

3

3

15

 

合計

21

21

100

設問別分析
【第1問】小問集合
問1では、波の諸現象の名称とその特徴が理解できていなくてはいけない。
問2は点電荷間のクーロン力と、そのつり合い条件を考察する。
問3では単振動する台上で受ける慣性力と摩擦力との関係に注目する。慣性力の最大値は単振動の加速度の最大値から決まる。
問4は理想気体の状態方程式を利用する。
問5では、ちょうつがいの位置のまわりの力のモーメントのつり合いを考えればよい。

【第2問】電磁気
Aはダイオードを含んだ簡単な回路と、交流についての問題である。気をつけないとミスをしやすい。
問1では、整流作用により順方向にのみ電流が流れることと、そのときのCD間電圧の極性に注意すること。
問2では交流の実効値を用いて電力計算をするとよい。その際、電流の流れる時間が半分しかない点に気をつける。

Bは粒子加速器(サイクロトロン)の中での荷電粒子の運動に関する問題である。
問3では、電極間を通過するごとに、エネルギーqVが与えられる事に気づけばよい。
問4は、電極内のローレンツ力による円運動の方程式を立てればよい。
問3、4とも比較的得点しやすいと思われる。

【第3問】波動
Aは平面波の屈折に関する問題である。
問1では、両媒質内で波の振動数が共通であることを利用する。
問2では境界における山の間隔と波長の関係を図形的に考察すればよい。2012年にも旧課程物理Tの小問集合で同様の出題があった。

Bは水面波の干渉を扱った問題である。仕切り板の両側で、逆位相の波が生じている事に注意したい。
問3では、AとBが逆位相の2波源になることから、経路差と強めあう条件の式を立てる。
問4は、AとBが同位相の2波源になるように仕切り板を移動させればよい事に気づけばよい。波源を操作する設定は受験生にとって考えにくかったかもしれない。

【第4問】力学
Aは小球の水平投射と壁面との非弾性衝突に関する問題であった。
問1は水平方向の等速度運動を、問2は鉛直方向の自由落下を考察すれば、それぞれ簡単に解けるはずである。
問3では、衝突により水平方向の速度の大きさだけe倍になる事を利用する。鉛直方向の運動に関しては力学的エネルギーは変化していない。

Bはばねの弾性力の性質と、仕事の計算についての問題である。
問4は小球に働く力のつり合いを考えればよい。上下のばねとも変形している事に気をつける。
問5では、小球の重力による位置エネルギーと、2本のばねの弾性エネルギーの和がどれだけ変化したかを計算すればよい。変化後は下のばねが自然長になっているのがポイント。

【第5問(選択)】熱力学
理想気体の状態変化(断熱、等温、定圧)に関する問題である。
問1では、熱の出入りがないのは断熱過程であり、内部エネルギーが変化しないのは等温過程である。
問2では、グラフの囲む面積が仕事に対応するから、面積の大小を比較すればよい。1995年の追試験の小問集合で同様の出題があった。
問3は定圧変化では体積と温度の比が一定(シャルルの法則)よりグラフが直線となること、断熱圧縮では気体の温度が上昇することに気づけばよい。

【第6問(選択)】原子
原子核の発見と原子の構造に関する基本問題である。
問1のα粒子の散乱では、原子核に近づいたα粒子ほど大きく曲げられ、原子核の遠くを進むα粒子はあまり曲がらない事から図を選ぶ。
問2は、ラザフォード模型の問題点と、ボーアの仮説による解決の流れを、教科書等の記述から理解できていればよい。
問3は、軌道円周上に電子の物質波が定常波をつくる条件を立てる。物質波(ド・ブロイ波)の式を正しく書けなくてはならないが、至って基本的な内容である。これを「ボーアの量子条件」と呼ぶ。