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センター試験解答速報2016

1日目解答

地理歴史

世界史B 世界史A 日本史B 日本史A 地理B 地理A 

公民

現代社会 倫理 政治・経済 倫理、政治・経済

国語

国語 

英語

英語 リスニング 

2日目解答

理科1

物理基礎 化学基礎 生物基礎 地学基礎 

数学1

数学I 数学I・数学A 

数学2

数学II 数学II・数学B 

理科2

物理 化学 生物 地学 
世界史A
全体概観

大問数が1問増加したが、設問数には変化なし。正文選択問題が倍増して、やや難化。 


大問数
減少 | 変化なし | 増加(+1)  
設問数
減少 | 変化なし | 増加  
マーク数
減少 | 変化なし | 増加  
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化  

2007年度より大問数が3問、設問数が33問で固定されていたが、今年度の設問数は33問と例年通りであったものの、大問数が4問に増加した。新しい出題形式の設問はなかったが、5年ぶりに絵画の作者を選択する4択問題が出題され、昨年度5問出題された語句の4択問題は今年度はこれ以外登場しなかった。さらに、正文を選択する4択問題が9問から18問に倍増したことから、前年度よりも難化したといえる。近現代史の設問数は22問で昨年度の21問とほぼ変化がなかったが、19世紀に関する知識が問われる設問が7問から10問に増加し、やや近代史の比率が上昇した。一方、解答番号9のアテネ民主政、12のアッバース朝の版図、14の古代農業など近現代以前の設問でも迷う問題が多かった。国家の独立や開発、農業・食料、移民問題や核兵器など現在の世界の諸問題に通じるテーマの出題が多く、普段から新聞やテレビのニュースなどにより、社会的事象に関心を持って世界史を学習してほしいという大学入試センターのメッセージがうかがえる。

年度

大問

出題分野

設問数

マーク数

配点

2016

 

第1問

世界史上の国家の再編や建設

9

9

27

第2問

世界史上の農耕や農作物

10

10

31

第3問

世界史上の移住や移民

7

7

21

第4問

世界史上の外交や国際関係

7

7

21

2015

 

第1問

世界史上のマイノリティ

11

11

34

第2問

世界史上の人間と動物との関わり

11

11

33

第3問

世界史上の社会運動や民衆運動

11

11

33

2014

 

第1問

歴史上の人や物の移動

11

11

34

第2問

世界史上の戦争と戦後処理

11

11

33

第3問

世界史上の文化の交流や伝播

11

11

33

2013

 

第1問

世界史上の王朝交替と革命

11

11

33

第2問

世界史上の情報・通信・交通

11

11

34

第3問

世界史上の文化と政治をめぐる問題

11

11

33

過去の平均点の推移

            
2015 2014 20132012 2011
47.37点 47.78点 46.67点 43.62点48.42点

設問別分析
【第1問】世界史上の国家の再編や建設
Aはフランスからの植民地の独立、Bはラテンアメリカ諸国の独立、Cはロシア帝国末期の改革運動について述べたリード文をもとに、主に20世紀の諸国家の動向に関する問題が出題された。Aでは20世紀の諸国の動向について特に時系列についての理解が必要であった。Bでは、ラテンアメリカ世界についての基礎的な知識が備わっているかを問われた。Cの世界史上の政治制度についての問題では、ムラのない学習が出来ているかが試されたと言える。

【第2問】世界史上の農耕や農作物
Aはスイカの伝播、Bは西アジアにおける農業への打撃、Cはヨーロッパにおけるパンと飢饉について述べたリード文をもとに、古代から近代まで幅広い時代・内容を含む問題が出題された。Aではアッバース朝の最大版図が問われ、普段から資料集や地図帳を用いて学習することが必要であることが分かる。Bの農業の問題では、古代からの学習がしっかりとできているかが問われた。Cでは絵画「農民の踊り」の作者や作家ユゴーの文芸思潮に関する問題が出題され、文化史の人物・特徴について整理されていることが必要であった。

【第3問】世界史上の移住や移民
Aはアルゼンチンへのイタリア系移民、Bは中国人の海外移住について述べたリード文をもとに、近世から現代の政治史を中心とした問題が出題された。Aのアメリカ合衆国への移民の時期の問題では、民族ごとの移民の特徴をおさえておくことが求められた。Bでは日本に関連する選択肢を含む問題が2問出題され、世界史の中の日本を常に意識した学習ができているかが試されたと言える。

【第4問】世界史上の外交や国際関係
Aはドイツの統一、Bはインド・パキスタンの分離・独立と対立について述べたリード文をもとに、主に近現代の国際政治に関する問題が出題された。Aでは近現代日本に関する知識のほか、ドイツ統一についての詳細な知識が問われた。Bでは、パキスタンから分離・独立した国の名と位置を地図から選択する問題、核軍縮についての年表補充問題も出題され、現代世界の抱える諸問題に関連する歴史学習をしっかりと行えたかどうかが成否のカギだったと言える。