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2017年 12月 3日 経済学部ってどんな学部? ノーベル経済学賞受賞者ダニエル・カーネマン(吉田)
慶應義塾大学経済学部1年の吉田ひかるです!
突然ですがみなさん、経済学ってなんだか理論的でおかたい感じがして近寄り難いイメージだなあ、なんて思ってはいませんか?
私も最初は、経済学なんてどうせ役に立たないんだろうと思っていました。
ところがです!2002年、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの本を読んで、経済学って面白い!と思ったんです。
経済学とはいっても色々な分野があり、本書で扱われている行動経済学は、通常の経済学が前提としている「人間は合理的に行動する」という仮定そのものを否定し、人間の行動の非合理性に着目した経済学です。やっぱ、おかたいと思いました??
では、本題に。。
その本のタイトルは『ファスト&スロー』で、上巻と下巻があります。
ここで、今回はダニエル・カーネマンの本に載っている面白い内容を一部紹介したいと思います!
その1 プライミング効果
プライミング効果とは、ごくありきたりな単純な動作が考え方や感じ方に影響を与えるというものです。
例えば、今から実験してみましょう。
【実験スタート】
Aさん「いまお腹空いていませんか?なんだか寒くなってきたし、暖かいお鍋とか豚汁とか食べたいですよね。」
とまあ、Aさんがこんなことをあなたに言ったとします。 では、今から虫食いの英単語を穴埋めしてみてください! 問題:SO□P ここに入るのは・・・? 答え:もちろん、SOUPですよね!!!スープ! 【実験終了】 でもちょっと待ってください。他の単語も作れるんです。 実は、SOAP(石鹸)もできるんです。 でも今、あなたはAさんに温かい食べ物の話をされました。 これが、プライムの要素となって、あなたの思考に影響を与えているのです。 SOAPよりもSOUPが頭の中に先に浮かんできたのは、人間にプライミング効果が働くからなのです。 もし、Aさんに「あなたの服汚れているよ!早く洗わないとシミになって取れなくなるよ!」などと言われていたら、SOAPと答える可能性が高かった、ということです。 これだけでなく、もっと典型的なものもあります。 あるオフィスで、任意で金額を決めてお金を払いコーヒーを飲めるスペースがあるとします。このオフィスに、週ごとに人の顔の写真とお花の写真を交互で貼り付けた時、どうなったと思いますか? 実は、人の顔がこちらを向いている週では高い金額が払われ、お花の写真が飾られている週では、安い金額が払われていたのです。 これも、プライミング効果の一種です。 似たような話で、公園のゴミ捨て場の近くに人の顔の写真を貼ったら、ゴミのポイ捨ても減り、綺麗にゴミ箱が使われるようになった、ということも聞いたことがあります。 その2 フレーミング効果 フレーミング効果とは、同じ情報でも提示の仕方が違うと人は違う感情を持つ、というものです。当たり前な気もしますが、これは人の無意識による現象であり、これを利用して商品を売るとやはり売り上げも伸びます。 例えば・・・ あなたはダイエット中だとします。でも、コーヒーに牛乳をどうしてもいれたい!そう思いスーパーに足を運びます。そこであなたは2種類の牛乳を目見します。 「無脂肪90%酪農牛乳」 「脂肪10%酪農牛乳」 さて、どちらを買うでしょうか? もちろん、前者ですよね。でも、実はこの商品はどちらも同じものです。 ただ、表示が違うでけでも、印象は全く変わってくるのです。 とまあ、このようなことも経済学の一部なんです。他にも人間の無意識に注目した、とても面白い研究をカーネマンはしています。 さて、少しは経済学も身近なものに感じられたでしょうか? みなさんの進路決めに少しでも役に立っていればと思います。 また、入試で小論文がある方は、少しはダニエル・カーネマンについて知っておくと何か良いことがあるかもしれません! 要チェック人物です。 他にも、ダン・アリエリー著の『予想通りに不合理』という本も行動経済学に関する本で、とても面白いです。