理科総合Aは、エネルギーに関するさまざまな内容と、物質の構成や変化といった内容を中心として、自然現象について理解を深める科目です。これに加えて、リサイクルや環境問題についても扱っています。したがって、エネルギーの種類やエネルギー資源、物質の成り立ちなどを理解し、リサイクルや環境問題まで興味、関心を広げていくことがとても重要になります。また、スポーツなど具体的な事象をもとにした設問や、与えられた実験結果から結論を導く設問が毎年のように出題されています。教科書の内容を正しく理解するのはもちろんですが、それだけにとどまらず、具体的な現象と物理の知識を結びつけたり、観察や実験などを通して理解を深めたりする必要があります。
◆理科総合Aの勉強法
まずは教科書の内容を確実に理解する必要があります。理科総合Aでは、物理分野の力学的エネルギーと仕事、熱エネルギー、電気エネルギー、化学分野の物質の構成、酸化還元、また今年は出題がありませんでしたが酸・塩基などを確実に理解する必要があります。これに加えて、生物分野の酵素や発酵、地学分野の鉱物資源やエネルギー資源なども重要です。また、例年理科総合Aのセンター試験では、物理分野の出来によって差がつく傾向が強く現れますが、物理分野は十分に対策すれば決して難しくない得点源です。今のうちから対策をしておくと、確実に有利になります。普段からさまざまな現象と物理法則を結びつけることを意識しておけば、今年のようなスポーツに関する問題が出題されても対応しやすくなります。さらに、リサイクルや温室効果ガスによる地球温暖化といった環境問題、風力発電、地熱発電等の自然エネルギーを用いた発電などについても、普段から関心をもっておき、テレビ、インターネット、新聞などのニュースで得た知識を整理しておくとよいでしょう。
◆センター試験のために
教科書の内容が十分に理解できるようになったら、次はセンター試験での目標点を取るための対策が必要になります。しかし、理科総合Aに関する問題集は少ないのが現状です。また、センター試験では、複数の答えの組合せを解答する問題など独特の出題形式がみられます。東進のセンター試験本番レベル模試は絶好の機会ですので、積極的に活用して下さい。
2012年に引き続き、大問4題の構成で変化なし。設問数が3問増加。マーク数は変化なし。
大問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
設問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
マーク数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
2006年以降5年間続いた大問5題の構成から、2011年より大問4題に減少し、今年の大問数も4題で変化はない。マーク数は26個で昨年と同じであり、実質的な分量は変わっていないが、設問数は3問増加した。スポーツを素材とした力学的エネルギーの問題や、昨年出題されなかった生物分野の酵素の問題などが出題された。
年度 |
大問 |
出題範囲 |
設問数 |
マーク数 |
配点 |
---|---|---|---|---|---|
2013 |
第1問 |
力学的エネルギー、エネルギー変換 |
6 |
7 |
24 |
第2問 |
物質の利用、物質の変化 |
6 |
6 |
24 |
|
第3問 |
熱エネルギー、電気エネルギー |
6 |
6 |
24 |
|
第4問 |
物質の構造、物質の変化 |
7 |
7 |
28 |
|
2012 |
第1問 |
物質の変化と物質の構造 |
6 |
7 |
28 |
第2問 |
仕事とエネルギー |
5 |
7 |
24 |
|
第3問 |
金属とプラスチックの構造や性質 |
6 |
6 |
24 |
|
第4問 |
光ファイバーと銅線ケーブルの性質 |
5 |
6 |
24 |
|
2011 |
第1問 |
物質の変化と物質の構造 |
5 |
7 |
24 |
第2問 |
力学的エネルギー、エネルギー変換 |
4 |
6 |
24 |
|
第3問 |
酵素反応、酸・塩基、酸化還元 |
5 |
6 |
24 |
|
第4問 |
仕事とエネルギー |
6 |
7 |
28 |
|
2010 |
第1問 |
エネルギー資源・消費電力 |
5 |
5 |
20 |
第2問 |
物体にはたらく力と運動 |
5 |
5 |
20 |
|
第3問 |
炭素に関する物質の構造と変化 |
5 |
5 |
20 |
|
第4問 |
ペルティエ素子 |
5 |
5 |
20 |
|
第5問 |
物質の変化 |
6 |
6 |
20 |
過去の平均点の推移
2012 | 2011 | 2010 | 2009 | 2008 |
---|---|---|---|---|
67.92点 | 55.63点 | 63.38点 | 56.59点 | 48.00点 |