理科総合Bは、「自然の事物・現象に関する実験・観察を通して、生物とそれをとりまく環境を中心に、自然の事物・現象について理解させるとともに、人間と自然とのかかわりについて考察させ、自然に対する総合的な見方や考え方を養う」(学習指導要領より抜粋)ことを目的とした科目です。そのため、普段から教科書の内容を正しく理解し、観察や実験を通して深く考えるという学習習慣を身につけることが必要です。センター試験でも例年、そのような知識や手法について問う問題が多く見受けられます。観察の方法や結果整理の方法を問う問題が多く出題されますが、これに苦戦する受験生は少なくないようです。
◆理科総合Bの勉強法
センター試験の「理科総合B」の問題を解くには,基本的な内容についての正確な知識と、それを基にした応用力が必要です。つまり、内容としては当たり前のことばかりですが、それが「ちゃんと分かっていること」が必要になるということです。「わかったつもり」で試験に臨むと大失敗することになります。
学習するにあたって、教科書の記述を丸暗記するような勉強法ではなく「なぜそうなるのか」を考えることや、実験の方法についてマニュアル的に「これはこうする」と覚えるのではなく「なぜそうするのか」を考えることを心がけましょう。そうすることで、応用のきく「深い知識」になります。地学Iや生物Iの関連部分を学習することもよい方法です。
また、実験結果を解釈する問題などを解くには「何が要点なのか」を把握する力や「何と何が関連しているのか」を見抜く力が重要になります。そのためには、日常的に「ものを考えること」「頭の中を整理すること」が重要です。結果を教えてもらって満足するのではなく、「なぜそうなるのか」と自分で考えるように心がけましょう。新聞やテレビのニュース解説などを見ることも、「ものの見方・考え方」を学ぶ良い方法のひとつです。
そのような土台を作った上で、高校3年生は用語の意味など細かい知識を確実にしておくようにするとよいでしょう。
◆センター試験のために
センター試験では限られた時間内に問題を解かなければなりません。また、普段からセンター試験の形式に慣れておくことも試験対策として必要です。東進のセンター試験本番レベル模試を積極的に受験して、センター試験の形式に慣れておきましょう。
正確な知識と応用力が必要。難易度は昨年に比べて難化。
大問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
設問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
マーク数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
実験、観察やその結果を整理する方法を問う問題のほか、知識を問う問題、両者を組み合わせた問題が出題されているのは昨年通りである。基本的な事柄についての正確な知識と応用力が必要となる問題が昨年と同様に多く出題された。また、資料を正確に読み取る力が求められる問題が目立った。難易度は昨年に比べて難化した。
年度 |
大問 |
出題分野 |
設問数 |
マーク数 |
配点 |
---|---|---|---|---|---|
2013 |
第1問 |
身近な環境における多様性 |
5 |
7 |
25 |
第2問 |
地球と生物の移り変わり |
7 |
8 |
25 |
|
第3問 |
自然環境と生物の変化 |
6 |
7 |
25 |
|
第4問 |
人間活動と地球環境とのかかわり |
4 |
7 |
25 |
|
2012 |
第1問 |
太陽放射と身近に生育する植物 |
5 |
6 |
25 |
第2問 |
地球と生物の移り変わり |
7 |
8 |
25 |
|
第3問 |
生物と自然のつり合い |
7 |
7 |
25 |
|
第4問 |
人間生活と地球環境の変化 |
6 |
7 |
25 |
|
2011 |
第1問 |
自然の変化 |
7 |
7 |
25 |
第2問 |
地球と生物の歴史 |
7 |
7 |
25 |
|
第3問 |
生物多様性と地球環境 |
8 |
8 |
25 |
|
第4問 |
人間の活動が大気環境に及ぼす影響 |
6 |
7 |
25 |
|
2010 |
第1問 |
気候の変化 |
6 |
6 |
24 |
第2問 |
太陽系と地球の歴史 |
7 |
7 |
26 |
|
第3問 |
地球環境と生物多様性 |
8 |
8 |
26 |
|
第4問 |
人間生活と地球環境の変化 |
6 |
7 |
24 |
過去の平均点の推移
2012 | 2011 | 2010 | 2009 | 2008 |
---|---|---|---|---|
60.36点 | 54.58点 | 64.83点 | 58.35点 | 61.31点 |