センター試験の出題範囲である物理Iは、大きく「力学」「電磁気」「波動」の3分野に分けられます。センター試験ではこれらから出題される大問4題からなる計20〜25問程度の設問を、60分間で解答することになります。形式は選択肢から正解を選ぶマークシート方式ですが、数式・数値の計算だけでなく、短文の正誤を選ぶもの、正しい図やグラフを選ぶものなど、物理現象を理解・説明する能力がさまざまな側面から問われます。
◆センター試験対策にあたって
センター試験の物理Iでは高等学校における基本的な内容がきちんと理解できているかどうかが問われます。したがって受験を来年に控えた新高3生の皆さんは、まず教科書の内容を習得することを目標にしてください。現在の高校での学習到達度にもよりますが、今回のセンター試験本試験であれば、今の段階でも50点くらいは取れるのではないかと思います。それから着実に時間をかけて実力を積み上げていってください。
◆基本的な考え方を身につける!
現行の学習課程は物理現象を式で書き表すだけでなく、実験などの探究活動を通して理解させようとする傾向が強く見られます。ですから高校ではそういった機会を大切に活用し、加えて基本的な問題集を解いていくことで基礎を確かなものにして欲しいと思います。
◆物理現象の表現法をみがく!
近年のセンター試験では図やグラフを利用させたり、短文の正誤を判断させたりといった問題が多く出る傾向にあります。これらへの対策として、普段から問題の答だけでなくそれに関係した考察をするクセをつけておきましょう。具体的には変数を変えて結果を吟味する、グラフを作ってみる、用語の約束を教科書で確認する、などといったことです。センター試験は題材が教科書に載るような有名な現象であることが多いので、こういった対策は非常に有効です。また、各分野は満遍なく出題されますから、ヤマをはったり苦手分野を残したりすることは避けなくてはいけません。
◆模擬試験で腕試し!
さらには本番形式での模擬試験を通じて経験を積むことです。時間配分のコツをつかみ弱点を洗い出すには最適です。東進で実施する「センター試験本番レベル模試」を合格に向けて活用するとよいでしょう。
形式に変化なし。設問数とマーク数がともに1つ増加。単純な計算の分量は多くないのだが、さまざまな視点からの物理的な考察力を必要としている。昨年と比べて難化した。
大問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
設問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
マーク数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
大問4題形式と、その内訳(分野の割り当て)は昨年並みであった。配点は、電磁気が微増し、波動が微減したが、大きな変更はない。第4問の問7では、部分点を与える異例の措置がとられた。受験生にとって考えづらい設定が多く、昨年と比べてやや難化したと思われる。
年度 |
大問 |
出題範囲 |
設問数 |
マーク数 |
配点 |
---|---|---|---|---|---|
2013 |
第1問 |
小問集合 |
6 |
6 |
30 |
第2問 |
電磁気 |
4 |
5 |
20 |
|
第3問 |
波動 |
4 |
4 |
18 |
|
第4問 |
力学、気体の状態変化 |
8 |
8 |
32 |
|
2012 |
第1問 |
小問集合 |
6 |
6 |
30 |
第2問 |
電磁気 |
4 |
4 |
18 |
|
第3問 |
波動 |
4 |
4 |
20 |
|
第4問 |
力学、気体の状態変化 |
7 |
8 |
32 |
|
2011 |
第1問 |
小問集合 |
6 |
7 |
31 |
第2問 |
電磁気 |
4 |
5 |
20 |
|
第3問 |
波動 |
5 |
5 |
20 |
|
第4問 |
力学、気体の状態変化 |
6 |
7 |
29 |
|
2010 |
第1問 |
小問集合 |
6 |
6 |
30 |
第2問 |
電磁気 |
4 |
6 |
20 |
|
第3問 |
波動 |
4 |
5 |
20 |
|
第4問 |
力学・熱とエネルギー |
8 |
8 |
30 |
過去の平均点の推移
2012 | 2011 | 2010 | 2009 | 2008 |
---|---|---|---|---|
68.03点 | 64.08点 | 54.01点 | 63.55点 | 64.55点 |