センター試験としては、皆さんが受験する2020年1月で最後となります。センター試験地学基礎は、地学基礎の教科書からまんべんなく出題されます。センター試験はマーク形式ですが、私大入試とは違い、本文を読まずに選択肢だけから答えが出たり、きちんと計算をせずに計算問題が解けたりすることはありません。センター試験では、試験時間が30分という限られた時間で15問前後を解答することになります。地学基礎とはいえ、単純な知識問題は少なく、様々な分野の知識や考察力が必要です。また、煩雑な計算問題はありませんが、基本的な計算力も必要です。とりわけ、単位の計算や比・比例の考え方には習熟する必要があります。図やグラフも、教科書や資料集に載っているような典型的なものがほとんどですが、内容をしっかりと理解しておきましょう。
これからの学習について
まずは教科書を繰り返し読み、内容を理解しましょう。センター試験の問題は1問が複数の分野にまたがるため、教科書を数ページ読んだだけでいきなり問題を解くのは大変難しいです。教科書の実験・考察にもじっくり目を通しましょう。基本的な知識を頭の中で「モデル化」した後に、過去問を解いてみましょう。必要があれば、中学校の教科書や参考書も利用しましょう。問題を大量に解くのではなく、「現象の理解」「モデル化」が大切です。
模試の活用
地学基礎の過去問は今年度を含めて5年分しかありません。演習不足にならないよう、全国統一高校生テストを含め、年間6回実施される東進の「センター試験本番レベル模試」を活用しましょう。旧課程の過去問を解くときは、地学基礎に相当する問題を分野別に選び、解いてみましょう。
昨年と同様大問は3つ、小問は計15問であった。
大問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
設問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
マーク数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
第1問Aは、固体地球全体についての問題であった。目新しい問題はないが、日ごろからじっくり考えるくせをつけていないと難しく感じただろう。第1問Bは地層や地球の歴史についての問題である。第1問A同様、深い考察の経験がないと難しく感じるだろう。第1問Cは岩石・鉱物に関する問題で、標準的な内容・レベルである。第2問は、天気図を通して日本列島付近の冬型の気圧配置を問う問題である。問1の考察が若干難しいであろう。第3問は宇宙の誕生と恒星の進化についての問題であった。
年度 | 大問 | 出題分野 | 設問数 | マーク数 | 配点 |
2019 | 第1問 | 地球 | 9 | 9 | 30 |
第2問 | 天気図 | 3 | 3 | 10 | |
第3問 | 恒星の誕生と宇宙の進化 | 3 | 3 | 10 | |
2018 | 第1問 | 地球 | 8 | 8 | 27 |
第2問 | 自然現象 | 4 | 4 | 13 | |
第3問 | 太陽系の誕生と形成 | 3 | 3 | 10 | |
2017 | 第1問 | 地球とその構成物質 | 5 | 5 | 17 |
第2問 | 地球環境と大気・海洋 | 5 | 5 | 16 | |
第3問 | 太陽と太陽系の惑星 | 2 | 2 | 7 | |
第4問 | 宇宙からの光と地球・生命の歴史 | 3 | 3 | 10 | |
2016 | 第1問 | 地球 | 8 | 8 | 27 |
第2問 | 地球全体のエネルギー収支(熱収支) | 4 | 4 | 13 | |
第3問 | 宇宙 | 3 | 3 | 10 | |
2015 | 第1問 | 地球の活動と生物の進化 | 7 | 7 | 23 |
第2問 | 大気と海洋、日本の自然環境 | 5 | 5 | 16 | |
第3問 | 太陽の観察 | 3 | 3 | 11 |
過去の平均点の推移
2018 | 2017 | 2016 | 2015 |
---|---|---|---|
34.13点 | 32.50点 | 33.90点 | 26.99点 |