大学によってさまざまですが、多いのは「複数回受験による受験割引」です。
例えば拓殖大学では、一般選抜を1回受験する際の入学検定料は3万2000円ですが、2回の受験でも同じく3万2000円(1回分が無料)、3回の受験だと総額3万9000円という、大幅な割引制度を導入しています。また、一般選抜と共通テスト利用入試を併願する場合は、5000円割引となります(2023年度入試)。
全学部統一入試を実施している明治大学では、1学部・1方式出願する際の検定料は3万5000円ですが、同一試験で2学部・2方式目以降の入学検定料が2万円です(例全学部統一入試で2学部に出願した場合、入学検定料の総額は3万5000円+2万円=5万5000円)。このほか、近年は「インターネット出願による受験料割引」も増えています。
インターネットの出願サイトから、必要な項目の情報を入力・送信する出願方法。受験生の手間の軽減や、大学側の人件費の削減、ペーパーレス化により環境にやさしいなどのメリットがあり、国公立大学を含めて近年導入する大学が増えています。
2014年度入試から出願を完全インターネット化し、志願者数で初の日本一になった近畿大学のように、一般選抜でも紙の願書を廃止している大学も多くみられます。また、導入している多くの大学で、入学検定料や併願検定料の割引を行っており、利用する受験生が増えています。
初年度納付金には、授業料に加え、入学金、施設整備費、実験実習費、諸会費などが含まれます。納入方法は、1次手続で入学金を納入し、2次手続で授業料を納入する2段階方式や、それらを一括で納入する方式(一部を延納できる場合もある)など、各大学によって異なるため、注意が必要です。
国立大学の昼間部では、入学金、授業料に標準額があり、その合計は81万7800円となっています(施設整備費や実験実習費は、大学・学部によって異なる)。一方、私立大では、初年度納付金は大学間や学部間でばらつきが見られ、法学部で約100~125万円、理工学部で約150~180万円という額が一般的です。
かつての奨学金制度は入学後に募集や申し込みをするものが大半でしたが、最近は大学独自の給付型奨学金制度や授業料免除などの学費減免制度を導入し、受験前に申請して予約採用するケースが増えています。
主として経済的に困窮している生徒を対象としたものと、学業成績が優秀な生徒を対象にしたものがあります。この制度は入学前に給付が約束されるため、保護者が学資の目途が立てやすく、受験生も安心して受験に臨めるという大きなメリットがあります。
【主な導入例(2025年度入学者対象)】
・国立大学
お茶の水女子大学「“みがかずば”奨学金」
→1年次と2年次に30万円給付
信州大学「信州大学知の森基金奨学金」
→一時金として10~40万円給付
・私立大学
早稲田大学「めざせ! 都の西北奨学金」
→学部により45万円~70万円を4年間給付
青山学院大学「地の塩、世の光奨学金」
→年額50万円を4年間給付
◎医学部では地域枠の奨学金制度を設けている大学も有り。