今年、新課程に移行してはじめてのセンター試験が施行されました。試験がどのような形態になるのかよくわからず、不安をかかえたまま受験した皆さんの先輩方とは違い、皆さんは、たとえ1年分とはいえセンターの過去問を入手することができました。これは大きなアドバンテージです。
◆センター試験について
生物基礎の教科書は、大きく「生物と遺伝子」・「生物の体内環境の維持」・「生物の多様性と生態系」の3編で構成されています。一方、センター試験「生物基礎」の大問も3題で、それぞれが教科書の目次と対応しています。この対応関係は、この先も続くと思われます。センター試験の解答形式はすべてマーク式で、選択肢から正解を選んで別紙のマークシートの数字を塗りつぶします。これは高校の定期試験などにみられる一般的な解答様式とはかけ離れているので、ある程度練習が必要です。
また、センター試験はその独特な解答形式から、教科書の知識をそのまま問うという素直な問題だけでなく、知識の組合せを聞いたり、誤りの文章を指摘させたり、今回は出題されませんでしたが、論理・考察が問われることもあります。これは、単に記憶力のすぐれた受験生だけを選抜したくないという、大学入試センターの意図の表れと見ることができます。
では、来年センター試験を受ける予定の皆さんは、どのような準備をするべきでしょうか。センター試験は知識だけを問う試験ではない、とはいうものの、まず教科書の用語はすべて理解しておくことが必要です。教科書レベルの知識を習得してはじめて、その上に考察を積み上げることができるのです。教科書をよく読み、自分だけのオリジナルの参考書をつくるつもりでノートにまとめてみるのがいいでしょう。ある程度、知識がついてきたらいよいよ実践練習です。センター試験の過去問を実際に解くことをくり返します。問題作成者は正解の選択肢をどのようにカムフラージュしているのか?この実験はどのような意図で行われ、その結果が意味するところは何か?といった視点で解答していきます。すなわち、皆さんが試される側ではなく、皆さんがセンター試験を評価するつもりで臨むのです。
◆模試を活用しよう!
センター試験の過去問は1年分しかありません。全国統一高校生テストを含めると東進のセンター試験本番レベル模試は年間6回実施されますので、演習にぜひ利用してください。本番では、限られた時間の中プレッシャーを感じながらも実力を発揮することが重要なのです。とくに「生物基礎」は他の理科基礎と組合せて受験する必要があります。同じ試験時間内で2つの異なる科目を解答し、選択した解答科目をマークシートに正しくマークする、という複雑な手順が必要です。このような実戦練習は、自分の勉強部屋ではできないので、ぜひ模試を利用してもらいたいと思います。
大問数は3題、設問数は16問。基本的な知識を問う問題が出題された。
大問数は3題だった。設問数は16問、マーク数は16であった。問題形式は空所補充、用語の組合せ、正誤判断が主体で、旧課程(生物T)から大きな変更はなかった。知識問題は、生物基礎の教科書の内容を押さえておけば解答できるものが大半であるが、誤りの選択肢の中には細かな知識を要求するものも散見された。 知識を用いた計算問題もあり、全問正答は難しかったと思われるが、全体としては標準的な問題であった。
年度 |
大問 |
出題分野 |
設問数 |
マーク数 |
配点 |
2015 |
第1問 |
生物の特徴および遺伝子とそのはたらき |
6 |
6 |
20 |
第2問 |
生物の体内環境の維持 |
5 |
5 |
15 |
|
第3問 |
生物の多様性と生態系 |
5 |
5 |
15 |
|
合計 |
16 |
16 |
50 |