皆さんが受験するセンター試験「化学基礎」は文系受験生のほとんどが対象になる試験です。教育課程が変わり3年目の試験なので、決して過去問などの情報は多くありません。少ない情報で受験した先輩達にくらべると情報量は東進をはじめとした模試や多くの参考書など増加してきました。みなさんは日頃から教科書の学習や模試の受験を通じて、より多くの情報を日ごろから取得するように心がけて下さい。
◆センター試験化学基礎の特徴
センター試験理科は、「教科書を逸脱しない内容」の「良質な問題」を出題するという基本スタンスをずっと守り続けています。例年、平均点が60〜65点(理科2科目合計)になるようなレベルの問題(選択する科目の有利・不利がなるべく出ないようにするため、1科目で平均点が30点程度)が出題されます。知識を問うだけの問題はそれほど多くはなく、出題の仕方が工夫されており、実力がついていなければ解きにくい問題も出題されています。過去問の類似問題が出題されることもあります。
◆化学基礎の計算分野を早期に固めよう!
センター試験では60分間(1科目あたり30分程度)で多くの問題を解かなければならないため、迅速な判断力と計算力が要求されます。センター試験の直前期になると、他教科の学習にかなり時間を割かれてしまうため、「物質量(モル)」や「酸と塩基・酸化還元」の計算問題には早い時期から対応しておく必要があります。計算問題を解く際には本番の試験だと思って電卓を使わずに速く正確に解答できるように訓練しておきましょう。
◆模試と過去問を活用しよう!
皆さんが受験する「化学基礎」の過去問は2年分しかありません。しかし、センター試験本番の出題内容やレベルを想定して制作された東進のセンター試験本番レベル模試を活用することで、十分に演習を積むことが可能です。そして、これから受ける模試の結果から、自分の得意分野と苦手分野が明らかになってきます。苦手分野を重点的にチェックして間違えた問題は切り取ってノートに貼り、再度解き直すようにしましょう。センター試験本番では解答時間が足りなくなることのないように、過去問(出題分野が同じもの)を解きセンター試験本番レベル模試で間違えた問題を解き直すことで、センター試験独特の出題形式に慣れておきましょう。過去問の学習は有効です。
大問数は2題、マーク数は16。化学基礎の教科書の内容が偏りなく出題された。教科書の発展内容からは、出題されなかった。
大問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
設問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
マーク数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
大問数は2題で変化なかった。マーク数は16で、2015年に比べてマーク数が2つ増えたが、計算問題は14題中4題と2015年と同じため、落ち着いて対処すれば、30分で解ききれる分量と難易度である。ただし、2015年度と比べると計算内容がやや煩雑になっていたり、文章を選択する問題が増えたりするなど、解答に要する時間は増加した。また、第1問の問6や問7で実験操作に関する出題があり、教科書の内容を偏りなく学習しているかどうかが問われた。なお、新課程での出題は2年目だが、全体として過去のセンター試験と出題傾向は似通っているため、現行課程の化学基礎の過去問はもちろんのこと、旧課程の化学Iの過去問を学習することも大切である。
総評として、難化したといえるだろう。
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大問 |
出題分野 |
設問数 |
マーク数 |
配点 |
2016 |
第1問 |
同位体、共有電子対・非共有電子対、電子配置、化学結合、物質量、気体の捕集法、物質の分離 |
7 |
8 |
25 |
第2問 |
物質量、化学反応式、モル濃度、中和滴定、塩、酸化還元反応、電池 |
7 |
8 |
25 |
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2015 |
第1問 |
単体、原子の構造、物質の三態、電子式、極性、化学結合、人間生活と化学 |
7 |
7 |
25 |
第2問 |
物質量と化学反応式、酸と塩基、酸化還元反応 |
7 |
7 |
25 |
過去の平均点の推移
2015 |
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35.30点 |