既に一通りの分野を学習済みの人は、本番と同様に時間を計って今回の試験を解いてみましょう。時間が足りないと感じる人には、センター試験の形式に不慣れであったり、科学的な文章を読むことに慣れていなかったり、厳密に用語を覚えていなかったりという原因があるずです。反省材料を見つけて対応しましょう。センター試験では、教科書の内容がきちんと理解できていれば6割程度は得点できるように出題されています。まずは教科書を通読して理解を深め、基礎を固めましょう。
◆これからの学習方法
どの分野から勉強してもよく、得意分野についてはいきなり過去問を解いても構いません。ただし、本番の試験は全分野から偏りなく出題されますので、分野に対する好き嫌いが無いようにしておきましょう。教科書の内容を理解することが重要なのは言うまでもありませんが、資料集などでグラフ・表をしっかり見ておくことも重要です。その際、グラフの座標軸や数値の単位に十分気をつけましょう。地学の学習では、まずしっかりと自然現象に関する知識を蓄えることが重要です。それらを用いて論理的に考える習慣を身につけるようにしましょう。
◆今後の対策
地学基礎の過去問は今回を含めて2年分しかありません。演習不足にならないよう、全国統一高校生テストを含め年間6回実施される東進の「センター試験本番レベル模試」を活用しましょう。旧課程の過去問を解くときは、地学基礎に相当する問題を分野別に選び、解いてみましょう。
幅広い分野からバランス良く出題されている。2015年の追試験に似ており、知識を問う問題が増えている。
大問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
設問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
マーク数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
2015年の本試験と比べて、知識を問う問題が増え、計算問題が減った。また、選択肢の数が減っていた。第1問がA・B・Cの3つ、第2問は1つ、第3問はA・Bの2つの構成に変化した。全体を通して選択肢に示されている地学的内容は多岐に及び、全分野から満遍なく出題されており、偏った学習では対応できないと考えられる。
第1問のAは、地震とプレートの運動に関する問題で、過去のセンター試験の地学Iにもよく出題された内容であり、平易である。第1問のBは、日頃から丁寧に地史を学んでおかないと難しいであろう。日頃の学習において時系列に地層形成を組み立てて考えたり、生物の変遷を把握したりすることが大変重要である。第1問のCは、火山に関する身近な問題である。火山地帯は硫黄臭いから硫黄が多い、というような浅い理解では解くのが難しい。また、旧課程の地学Iでよく出題された鉱物が問われていた。AとCでともに災害に関する内容が問われたのは目新しい。
第2問では、エネルギーという受験生にとっては捉えにくい内容が出題された。太陽放射・地球放射と大気の層構造などをしっかりと理解していないと難しかったであろう。図やグラフが全く無かったのも特徴的であった。
第3問のAは、宇宙の大規模構造に関する問題である。宇宙の膨張や銀河の分布の偏りがしっかり理解できていれば難しくはない。第3問のBは、太陽系の天体に関する問題であり、旧課程の地学Iにおいてもよく出ていた内容で平易であった。
全体を通して昨年と比べるとやや易化したと考えられる。
年度 |
大問 |
出題分野 |
設問数 |
マーク数 |
配点 |
2016 |
第1問 |
地球 |
8 |
8 |
27 |
第2問 |
地球全体のエネルギー収支(熱収支) |
4 |
4 |
13 |
|
第3問 |
宇宙 |
3 |
3 |
10 |
|
2015 |
第1問 |
地球の活動と生物の進化 |
7 |
7 |
23 |
第2問 |
大気と海洋、日本の自然環境 |
5 |
5 |
16 |
|
第3問 |
太陽の観察 |
3 |
3 |
11 |
過去の平均点の推移
2015 |
---|
26.99点 |