センター試験の化学基礎は「化学基礎」の教科書から出題され、その範囲は決して広くありません。そのため、化学基礎の学習は主要科目に比べて後回しになりがちですが、単に知識を問うだけの問題ではなく、よく考えないと正解が導き出せないような問題も出題されています。定期試験の勉強と同じような感覚で学習を進めていると、入試問題に対応できません。計画的に学習を進めていけば必ず高得点に結びつくので、なるべく早い段階での対策を心掛けましょう。
◆センター試験化学基礎の特徴
大問2題で構成されている試験で、試験時間は30分です。基礎〜標準レベルの問題で構成されていますが、計算問題も出題されますので、さほど時間に余裕はありません。先ほど触れたように、よく考えないと正解が導き出せないような問題が出題される一方で、過去に出題された問題と類似した問題も多く出題されるため、過去問演習は欠かせません。旧課程の問題も含めて、演習を積んでおきましょう。また、身近な物質や現象に関しては、教科書の表や図にしか記載されていない部分からの出題も見られます。普段から身のまわりの物質や現象と関連付けながら教科書をよく読み、十分な対策を行って、万全の状態で本番を迎えられるようにしましょう。
◆1学期のうちに化学基礎を一通り復習しよう!
この時期であれば、高校で「化学基礎」の学習を一通り終えている人も多いと思いますが、教科書のはじめの方の内容には忘れてしまっている部分もあるかもしれません。過去問や模試を活用し、実践的な問題で演習を積むことも大切ですが、その一方で、教科書の内容をもう一度一通り復習しなおすことも欠かせません。まずは教科書の内容を復習し、基礎的な問題集などを使って演習も行いながら学習を進めて下さい。そして、高3の1学期のうちに教科書の復習を終え、夏からはどんどん過去問を解いていきましょう。
◆模試を活用しよう!
東進の「センター試験本番レベル模試」は、実際に行われたセンター試験の問題をもとに出題内容や問題レベルを分析して作られており、全国統一高校生テストを含めて年間6回実施されます。これらの模試を活用することで、問題の出題傾向を把握し、現状で自分に足りていない部分を把握することができます。上手に活用し、来年の本番に向けて十分な対策を行いましょう!
大問数は2題、マーク数は16。化学基礎の教科書の内容が偏りなく出題された。
大問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
設問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
マーク数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
大問数は2題で変化はなかった。また、小問数は14題、マーク数は16で、こちらも変化はなかった。文字式を選択する問題も含めると、計算問題は14題中4題であった。
第1問の問4や第2問の問3のように、過去には見られなかったタイプの問題も出題され、戸惑った受験生も多かったと思われる。また、第2問の問4ではpHに関する知識、問7では化学電池に関する知識といったように、身近な物質や現象を題材とした問題が出題されたが、どちらも受験生にとっては盲点になっていたのではないだろうか。教科書に記載されている図や表なども含め、偏りなく学習しているかどうかが問われた。
全体として昨年度と同様の難易度であった。
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大問 |
出題分野 |
設問数 |
マーク数 |
配点 |
2018 |
第1問 |
イオン、化学結合、電子配置、式量、成分元素の検出、物質の三態、化学と人間生活 |
7 |
9 |
25 |
第2問 |
物質量、溶液の濃度、水素イオン濃度、中和滴定、酸化還元反応、電池 |
7 |
7 |
25 |
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2017 |
第1問 |
同素体、中性子数、化学結合、分子の形、物質の三態、化学と人間生活 |
7 |
8 |
25 |
第2問 |
溶液の濃度、物質量、実験器具、中和滴定、酸化還元反応、 |
7 |
8 |
25 |
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2016 |
第1問 |
同位体、共有電子対・非共有電子対、電子配置、化学結合、物質量、気体の捕集法、物質の分離 |
7 |
8 |
25 |
第2問 |
物質量、化学反応式、モル濃度、中和滴定、塩、酸化還元反応、電池 |
7 |
8 |
25 |
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2015 |
第1問 |
単体、原子の構造、物質の三態、電子式、極性、化学結合、化学と人間生活 |
7 |
7 |
25 |
第2問 |
物質量と化学反応式、酸と塩基、酸化還元反応 |
7 |
7 |
25 |
過去の平均点の推移
2017 | 2016 | 2015 |
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28.59点 | 26.77点 | 35.30点 |