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◆センター試験地理Bの特徴

 皆さんの受験される2020年1月のセンター試験が最後の実施となります。センター試験における地理Bは、現代世界の系統地理的・地誌的考察や地球的課題などの重要項目、および地図、写真、統計の読み取りなどの地理的技能の習熟度を、多角的に幅広く問うことを基本として、教科書の内容に準じて作問されています。地域としては、身近な地域・日本の諸地域も含んだ世界各地の問題がバランス良く配置されています。内容面でも、世界全体を視野に入れて各分野からまんべんなく出題されています。また、知識(用語や地名)そのものを問うことは少なく、地図や写真、統計など各種資料の読み取りと関連付けた出題が多くなっています。すなわち、標準的な知識をもとにした情報処理、思考、判断の能力を試すことが主題となっているのです。

◆思考力が大事

 ということは、丸暗記に終始するような詰め込み学習では対応できないのです。地理は暗記科目と考えられがちですが、センター試験の地理Bでは思考力がものを言うのです。地理的な事象について「なぜそうなるか」を十分に理解した上で、「使える(=応用できる)基本的な知識」をコツコツと積み上げていきましょう。知識がネットワーク化すれば、1つの理解が2つにも3つにも応用できるようになります。もちろん、知識重視タイプの問題もゼロではありません。自然環境、産業、集落といった系統地理(分野別の学習)だけでなく、地誌(地域・国ごとの学習)の準備も早めにスタートすることで、情報量の面での遅れを招かないようにしたいものです。このような場面では、一問一答形式の問題集なども役に立つでしょう。

◆資料問題に強くなろう

 センター試験地理Bの最大の特徴は、地図や図表、写真などの資料を使った出題の割合が高いことです。これらを読み取り、利用する技能が求められているのです。自分が知らない地名が出てきた際には、必ず地図帳を開き、その位置を確認する学習を徹底するようにしましょう。教科書や資料集を用いて、主題図(テーマのある地図)や写真などに見慣れておくことも重要です。また、統計についても、順位、数値の暗記ではなく、統計の背後にある地理的事象を読み取る意識で、最新の統計をこまめにチェックするようにしましょう。また、地歴連携の重視から、歴史的背景や経緯を問う出題がみられるようになっています。

◆独特な出題形式に慣れておこう

独特な出題形式への慣れも欠かせません。組合せ式6択問題などがその典型です。問題の質や量と試験時間(60分)を見比べると、決して時間的な余裕はありません。10年分程度の過去問演習はもちろんですが、全国統一高校生テストを含めて年間6回実施される東進のセンター試験本番レベル模試を定期的に受験して、(1)頻出項目のマスターと最新傾向の把握、(2)出題形式への順応、(3)時間配分のトレーニング、といった点を強化することをおすすめします。

例年どおりの分量・内容だが、形式面では前年よりシンプルに。
馴染みの薄い地域の地誌は、受験生を悩ませたか。 


大問数
減少 | 変化なし | 増加 
設問数
減少 | 変化なし | 増加 
マーク数
減少 | 変化なし | 増加 
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

分量
前年並み。大問6題構成が2006年度以降変わっていない。
設問数・マーク数は35ずつで前年と同じ(2016年度以降連続)。
大問ごとの配点や設問数も前年と同じ。

出題形式
組合せ式の問題が前年の17問から13問(6択式9問、4択式4問)に減り、
そのぶん、単純に図表から解答を選ぶ4択の問題が増加した。
例年同様に統計資料や図表を多用し、地理的な考え方や理解を問う問題が中心である。図表の点数は、前年の32点から39点と増加したが、これは主に統計表が大きく増えたことによる。また、写真は3点(第6問・問3の図中の写真も含めると4点)であった。

出題内容
各大問の分野構成は例年通りである。
産業の分野があてられる第2問では、3年続けて「資源と産業」が出題された。
地誌を扱う第4問で「地中海沿岸地域」が取り上げられるのは2013年度以来である。
また、第5問では2016年度から2〜3カ国の比較地誌が出題されているが、今回は「ウクライナとウズベキスタン」という受験生には馴染みの薄い2カ国が選ばれた。長らく出題がなかった旧ソ連地域が本誌の地誌の大問で初めて出題された。
なお、第6問は「地理A」と共通問題である。

難易度
形式的には手間のかかる設問が減ったものの、内容的には、特に第4問・第5問において、受験生にとっては手薄になりやすい国や地域が扱われた上に、やや細かい知識を必要とする問題が並んでいるため、難易度は上がったと思われる。

年度 大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2019 第1問 世界の自然環境と自然災害 6 6 17
第2問 資源と産業 6 6 17
第3問 都市と村落、生活文化 6 6 17
第4問 地中海沿岸地域 6 6 17
第5問 ウクライナとウズベキスタン 5 5 14
第6問 地域調査(宮崎市) 6 6 18
2018 第1問 世界の自然環境と自然災害 6 6 17
第2問 資源と産業 6 6 17
第3問 生活文化と都市 6 6 17
第4問 西アジアとその周辺地域 6 6 17
第5問 北欧3カ国(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド)の比較 5 5 14
第6問 地域調査(岐阜県高山市) 6 6 18
2017 第1問 世界の自然環境と自然災害 6 6 17
第2問 資源と産業 6 6 17
第3問 都市・村落と生活文化 5 5 15
第4問 中国 6 6 17
第5問 スペインとドイツ 5 5 14
第6問 地域調査(長崎県壱岐島) 7 7 20
2016 第1問 世界の自然環境と自然災害 6 6 17
第2問 世界の工業 6 6 17
第3問 都市・村落と生活文化 6 6 17
第4問 ヨーロッパ 6 6 17
第5問 インドと南アフリカ共和国 5 5 14
第6問 地域調査(岩手県北上市) 6 6 18
2015 第1問 世界の自然環境と自然災害 6 6 16
第2問 世界の農業 6 6 17
第3問 都市と村落 6 6 17
第4問 南アメリカ 6 6 17
第5問 現代世界の諸課題 5 6 16
第6問 地域調査(北海道富良野市) 6 6 17

過去の平均点の推移

2018 2017 2016 2015 2014
67.99点 62.34点 60.10点 58.59点 69.68点

◆「地理B」という科目の特徴

  皆さんが受験される2021年1月から、現行のセンター試験に変わり「大学入試共通テスト」が実施されます。試行調査(2017・18年に実施)で出題された地理Bの試行問題をみると、現行のセンター試験と大きな違いはないものの、地誌の知識よりも地理的思考力や資料の読み取り技能を重視した問題が増えており、その結果、複数の判定を組合せた形式の設問が中心となっています。用語や地名を詰め込むだけの学習は、これまで以上に用をなさなくなると考えられます。
 アドバイスとして先に新高3生へのアドバイスを読んでみてください。なかなか大変なメニューが並んでいますね。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」です。なるべく早めにセンター試験の過去問にトライして本番の傾向をつかみ、模試で実力を測って弱点を補強する、受験生としてはそんな真っ当な対策を立てたいですね。しかし、過去問の演習にせよ、模試の受験にせよ、ひと通りの学習を済ませて、ある程度の実力をつけてからでなければ意味をなしません。「実力をつけてから」にこだわりすぎても時機を失しますが、準備ゼロでは「敵を知る」ことも「己を知る」ことも叶いません。高3になってから正しい対策を迷うことなく進めるためには、それなりの布石というものが必要です。

◆今のうちにやっておきたいこと

(1)一通りのことが書かれた本を読んで、地理という科目の「全体感」をつかんでおきます。その為には、まずは教科書をベースにした学習が大切です。さらに、『山岡の地理B教室』(東進ブックス)のような入門書を利用していくことも良いと思います。中学校で使った「地理的分野」の教科書も良いでしょう。中1当時の皆さんはまだ小学生の延長のようなものでした。だから、いま読むと「ああそういうことか」と納得できることが多いはずです。

(2)地図帳に慣れておきます。地理における地図帳は、英語学習における辞書のような存在です。各地方の並び順、地図上のさまざまな約束、索引の使い方、などを体で覚えておきましょう。知らない地名が出てくるたびに地図帳を開く習慣をつけてください。

(3)東進では「ベーシック地理」「入試対策:センター試験対策地理B」など、基礎レベルの講座を用意しています。これらを高2のうちに受講しておけば、無理なく高3での対策学習につなげられるでしょう。

(4)できれば、さまざまなメディアも利用しましょう。TVの特集、クイズ番組、ニュースなどや、新聞の国際面の記事、インターネットで得られる情報などです。すべてが直接の試験対策になるわけではありませんが、世界各地に関する見識が広がることで、地誌学習が楽に進められるはずです。

そして、最も大切なのは「地理は暗記科目ではなく、考える科目である」としっかり理解しておくことです。はじめはピンとこないでしょうが、上のような対策に続けて実際に問題演習を始めると、「考える科目」であることを実感できるはずです。皆さんに期待しています。

例年どおりの分量・内容だが、形式面では前年よりシンプルに。
馴染みの薄い地域の地誌は、受験生を悩ませたか。 


大問数
減少 | 変化なし | 増加 
設問数
減少 | 変化なし | 増加 
マーク数
減少 | 変化なし | 増加 
難易度
易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 

分量
前年並み。大問6題構成が2006年度以降変わっていない。
設問数・マーク数は35ずつで前年と同じ(2016年度以降連続)。
大問ごとの配点や設問数も前年と同じ。

出題形式
組合せ式の問題が前年の17問から13問(6択式9問、4択式4問)に減り、
そのぶん、単純に図表から解答を選ぶ4択の問題が増加した。
例年同様に統計資料や図表を多用し、地理的な考え方や理解を問う問題が中心である。図表の点数は、前年の32点から39点と増加したが、これは主に統計表が大きく増えたことによる。また、写真は3点(第6問・問3の図中の写真も含めると4点)であった。

出題内容
各大問の分野構成は例年通りである。
産業の分野があてられる第2問では、3年続けて「資源と産業」が出題された。
地誌を扱う第4問で「地中海沿岸地域」が取り上げられるのは2013年度以来である。
また、第5問では2016年度から2〜3カ国の比較地誌が出題されているが、今回は「ウクライナとウズベキスタン」という受験生には馴染みの薄い2カ国が選ばれた。長らく出題がなかった旧ソ連地域が本誌の地誌の大問で初めて出題された。
なお、第6問は「地理A」と共通問題である。

難易度
形式的には手間のかかる設問が減ったものの、内容的には、特に第4問・第5問において、受験生にとっては手薄になりやすい国や地域が扱われた上に、やや細かい知識を必要とする問題が並んでいるため、難易度は上がったと思われる。

年度 大問 出題分野 設問数 マーク数 配点
2019 第1問 世界の自然環境と自然災害 6 6 17
第2問 資源と産業 6 6 17
第3問 都市と村落、生活文化 6 6 17
第4問 地中海沿岸地域 6 6 17
第5問 ウクライナとウズベキスタン 5 5 14
第6問 地域調査(宮崎市) 6 6 18
2018 第1問 世界の自然環境と自然災害 6 6 17
第2問 資源と産業 6 6 17
第3問 生活文化と都市 6 6 17
第4問 西アジアとその周辺地域 6 6 17
第5問 北欧3カ国(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド)の比較 5 5 14
第6問 地域調査(岐阜県高山市) 6 6 18
2017 第1問 世界の自然環境と自然災害 6 6 17
第2問 資源と産業 6 6 17
第3問 都市・村落と生活文化 5 5 15
第4問 中国 6 6 17
第5問 スペインとドイツ 5 5 14
第6問 地域調査(長崎県壱岐島) 7 7 20
2016 第1問 世界の自然環境と自然災害 6 6 17
第2問 世界の工業 6 6 17
第3問 都市・村落と生活文化 6 6 17
第4問 ヨーロッパ 6 6 17
第5問 インドと南アフリカ共和国 5 5 14
第6問 地域調査(岩手県北上市) 6 6 18
2015 第1問 世界の自然環境と自然災害 6 6 16
第2問 世界の農業 6 6 17
第3問 都市と村落 6 6 17
第4問 南アメリカ 6 6 17
第5問 現代世界の諸課題 5 6 16
第6問 地域調査(北海道富良野市) 6 6 17

過去の平均点の推移

2018 2017 2016 2015 2014
67.99点 62.34点 60.10点 58.59点 69.68点

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