皆さんが受験する2021年1月の共通テストは、初めて実施される共通テストです。今回のセンター試験と課程は同じですので、内容的な変化は無いと思われます。センター試験と同様、共通テスト地学基礎は、地学基礎の教科書からまんべんなく出題されるでしょう。共通テストはマーク形式ですが、私大入試とは違い、本文を読まずに選択肢だけから答えが出たり、きちんと計算をせずに計算問題が解けたりすることはありません。試験時間が30分という限られた時間で15問前後を解答することになります。地学基礎とはいえ、単純な知識問題は少なく、様々な分野の知識や考察力が必要です。また、煩雑な計算問題はありませんが、基本的な計算力も必要です。とりわけ、単位の計算や比・比例の考え方には習熟する必要があります。図やグラフも、教科書や資料集に載っているような典型的なものがほとんどですが、内容をしっかりと理解しておきましょう。
これからの学習について
まずは教科書を繰り返し読み、内容を理解しましょう。共通テストの問題は設問が複数の分野にまたがるため、教科書を数ページ読んだだけでいきなり問題を解くのは大変難しいです。教科書の実験・考察にもじっくり目を通しましょう。基本的な知識を頭の中で「モデル化」した後に、過去問を解いてみましょう。必要があれば、中学校の教科書や参考書も利用しましょう。問題を大量に解くのではなく、「現象の理解」「モデル化」が大切です。
模試の活用
地学基礎のセンター試験の過去問は今年度を含めて6年分しかありません。演習不足にならないよう、全国統一高校生テストを含め、年間6回実施される東進の「共通テスト本番レベル模試」を活用しましょう。旧課程の過去問を解くときは、地学基礎に相当する問題を分野別に選び、解いてみましょう。
大問数が4つと昨年より1つ増えた。小問数は15問で変化無し。
大問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
設問数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
マーク数 | 減少 | 変化なし | 増加 |
難易度 | 易化 | やや易化 | 昨年並み | やや難化 | 難化 |
第1問のAでは、地震の基本性質とプレートテクトニクスとの関係がバランス良く問われている。全体としては標準レベルである。Bは地層の変遷と地球環境への理解を問うている。生物の上陸が時系列に理解できていないと難しい。Cは岩石と鉱物の標準的な問題である。
第2問のAは、作図を厭わなければ中学レベル+αの平易な問題である。Bは海水の鉛直循環に関する超頻出問題である。平易。
第3問は、時間の流れとスケール(空間)両方への理解が必要で、センター試験以外でも近年しばしば出題されるタイプである。知識が整理できていなければ難しかっただろう。
第4問は超頻出の自然災害がテーマ。
本年も計算は1問だけであった。全体的にグラフや数値(座標)を利用する問題が少なかった。
年度 | 大問 | 出題分野 | 設問数 | マーク数 | 配点 |
2020 | 第1問 | 地球 | 6 | 6 | 20 |
第2問 | 大気と海洋 | 3 | 3 | 10 | |
第3問 | 宇宙 | 3 | 3 | 10 | |
第4問 | 自然災害 | 3 | 3 | 10 | |
2019 | 第1問 | 地球 | 9 | 9 | 30 |
第2問 | 天気図 | 3 | 3 | 10 | |
第3問 | 恒星の誕生と宇宙の進化 | 3 | 3 | 10 | |
2018 | 第1問 | 地球 | 8 | 8 | 27 |
第2問 | 自然現象 | 4 | 4 | 13 | |
第3問 | 太陽系の誕生と形成 | 3 | 3 | 10 | |
2017 | 第1問 | 地球とその構成物質 | 5 | 5 | 17 |
第2問 | 地球環境と大気・海洋 | 5 | 5 | 16 | |
第3問 | 太陽と太陽系の惑星 | 2 | 2 | 7 | |
第4問 | 宇宙からの光と地球・生命の歴史 | 3 | 3 | 10 | |
2016 | 第1問 | 地球 | 8 | 8 | 27 |
第2問 | 地球全体のエネルギー収支(熱収支) | 4 | 4 | 13 | |
第3問 | 宇宙 | 3 | 3 | 10 |
過去の平均点の推移
2020 | 2019 | 2018 | 2017 | 2016 |
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28.06点 | 29.62点 | 34.13点 | 32.50点 | 33.90点 |