みなさんこんにちは!東大特進コーススタッフ5年の佐藤元彌です。現在医学部医学科の5年生で普段は東京大学医学部附属病院で実習をしています。
夏休みも最後の1週間となりましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
今夏は東大系の模試が3つあったため堪えた人も多いかもしれませんが、その分自分の弱点が多く見つかったと思います。点数や判定が気になっている人も多いかとは思いますが、「答え合わせをする」「自己採点する」だけではなく、「自分の間違えた問題・間違えた箇所を復習する」「自分の理解が足りていない分野・ポイントを発見する」「これからどういう勉強をすればよいかを考える」が非常に大事です!
「模試が返ってきてから復習しよう」と思っても、時間が経てば自分がなぜ間違えたのか分からなくなってしまうので、フレッシュなうちに見直しておきましょう。また、学校が始まってしまうといろいろ忙しく今後の勉強のプランが立てにくかったりもするので今のうちに秋以降どう勉強していけばいいのかを考えておきましょう!
秋も11月付近には東大模試が再び行われます。それまでに知識を完璧しておくのは難しい人も多いと思いますので、どういう分野を集中的にやっておくか、また、時間感覚を養っておくことも非常に大事なので、普段の問題を解くときから○分でやる、というように制限をかけて演習を行うのも大事だと思います!
さて前置きが長くなりましたが、今日はこの夏休みに医学部の公衆衛生学の実習でカンボジアとミャンマーに行っていたのでそのお話でもしようかと思います!
まずその前に...医学部生の夏休みについて少しお話しておきたいと思います!
部活をやっている学生は夏休み期間には「東日本医科学生大会(東医体)」「西日本医科学生大会(西医体)」というものがあり、それが8月の第1~2週にかけて行われます。
両者ともかなり大きな大会で、国体に次いで大きな体育大会なんです!
その後は学年によって過ごし方が異なりますが、3・4年生であれば夏休み明けにテストがあったりしてその勉強に追われたり(私も去年の夏休みの終わりは外科のテストに追われました)、5年生であれば初期臨床研修(医学部を卒業した後2年間は初期臨床研修医(いわゆる「研修医」として働きます)の病院探しのためにいろいろな病院に訪問して様々な見学に行ったりします。
6年生は上記の初期臨床研修の病院の採用試験・面接があるので、7~8月は大変な時期となります(夏休みどころじゃないわけです汗)。
話を戻しますが、東大医学部の5年生では夏休み期間前後に「公衆衛生学実習」という授業があり、学生は様々な公衆衛生に関わるプログラムから自分のやりたい実習を選ぶことができます。
公衆衛生は「疫学」(疾病の原因の探求や予防を個人ではなく集団に焦点を当てて考える学問)や「生物統計」「医療制度」など分野が幅広いため、人によっては統計学実習をやったり、がんの啓発活動のポスターを作ったりなどしています。
それで私は現地の疫学や医療制度の視察という形でカンボジア・ミャンマーに行ってきました。
色々書きたいのですが、手短に...!
まず何が一番日本と違うかと言うと
① 外科手術のできる病院が少ない
現地では手術器具・麻酔の器具が十分ではないため、もし心筋梗塞で倒れた場合は近隣諸国(タイ・バンコクやシンガポールなど)にヘリで輸送してもらうしかありません。現地の駐在している日本人の人はヘリで運んでもらえるような保険に加入しているそうです。
② プライベートな病院が多い
日本以外の国であれば大体そうだと言えばそうなのですが、お金持ちの人はプライベートの綺麗で医療水準の高い病院に行き、そうでない人は公立の病院に行く、といった形がとられています。日本ではどの病院も同じような保険診療がなされていて、高い医療を受けることが可能ですが、途上国では公立の病院はタダ(!)ですが、待ち時間が長い、質が低いなどの問題があり、お金持ちの人は高いけれどもプライベートの病院にいって診療してもらっています。
③ 衛生環境が残念...
プノンペンやヤンゴンといった首都であればなかなか感じるのも難しいですが、今回訪れた農村とかでは日本では遭遇できない物にたくさん遭遇しました。
農村では下水道はもちろん、上水道は存在していないし全員雨水もしくは井戸水を利用しています。しかも井戸水も中をのぞくと色んなものが浮かんでいるし...(汗)
それからニワトリが歩き回っている横で調理したり、作ったものにはハエが止まっていたり(涙)という感じです。
ただ、途上国の衛生環境としてはかなり改善されつつある方で、
① エイズ・結核がかなり減ってきている
途上国はどこもエイズの蔓延に悩まされていますが、カンボジアは医療スタッフの努力と現地の人々の性格がいいこともあり、かなり減少してきています!先生の話ではアフリカと比べるとアジアの教育はやりやすいと言っていました(アフリカの農村では10月の5か月後は3月というような簡単な計算も理解してくれないなど大変みたいです)。
② むしろ生活習慣病が問題になってきている
アジアの人々は遺伝子的に膵臓でインスリンを出しにくいので、西洋の人と比べると糖尿病になりやすい傾向にあります。
カンボジアやミャンマーでも例外ではなく、日本で見慣れた糖尿病薬(メトホルミンのような)が現地のクリニックの薬棚にずらっと並んでいました。
糖尿病では食事指導がかなり大事なのですが、日本とは違って子供のころから栄養教育を受けてきたわけではないため、かなり治療が難しいという話も聞きました。
というように全然未開の地!みたいなわけではないので、自分のような綺麗好きな人でも全然大丈夫でお腹を壊すことも体調を壊すこともありませんでした(^^)
...話始めればきりがないのですが、このあたりにしておきます!
現地にいるといかに日本で生活することが楽であるかを痛感させられます。
医学部でなくとも東大では国際交流プログラムが多数用意されているので、興味のある人は入学したら(入学する前でもいいですが)是非いろいろ調べてみてください!
では!
コメントする