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2013年9月26日 16:22

しんふり

こんにちは。東大生スタッフの小林里瑳です。
毎回の授業の前、東大生スタッフがみなさんに挨拶をするのですが、そのセリフが遂に変わります。
「こんにちは、工学部都市工学科都市計画コースに内定しました、文科三類2年の小林里瑳です。」
次の授業運営から、このようになります。

皆さんほとんどが知っているかもしれませんが改めて。
東京大学には「進学振り分け」という制度があり、大学3年次からの専攻を1年半かけて決めることができます。
2年生のこの時期に行きたい学科を「志望登録」し、2年生の夏学期までの平均点を元に(計算方法は志望学科によって多少違いますが、ここでは割愛)上から「内定」が決まるといった感じです。
学科には当然定員がありますから、点数が足りないために希望の学科に行けない人もいますし、反対に定員に達しない学科もあります(いわゆる「底割れ」というやつです。去年の法学部がそうでしたね)。
理論上は、点数さえあればどこの学部学科にも進学可能な制度です。

前回のブログの続き?になりますが、無事に第一志望の学科の内定をもらうことが出来ました。ひと段落です。
●「えっ!?文学部・教育学部への進学の割合の高い文三から、工学部!?それってアリなの!?」
→アリです。大アリです。もうありがたすぎます。
ほとんどの学部学科には「全科類枠」というものが設けられています。

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定数のところに全科類ってありますよね。都市計画だと8人まで枠があります。
その横が、志望者数。8人の枠に22人が志望しているという事になります。
この22人を点数順に上から並べて8番目の人が81.4点ということになります。結構高いですね。
この点数以上であれば、文系だろうが理系だろうが関係なく、都市計画コースに行くことが出来ます。

●「81.4点って高くない? 高い点数がないと理転文転はできない?」
→いや、まあ、決して低くはないです。でも、常識の範囲内で授業に出て、テスト前にちゃんと準備していけば取れる点数です。82,3以上だとちょっと頑張らないといけない印象です。
確かに、文三→法、理三以外の科類→医学部は例年高い点数が必要ですが、文転・理転が必ずしも高い点数を要するわけではないのです。

●「理系の科目とか必要なんじゃないの」
→要る学科もあります。幸い工学部は「この科目取ってないと来ちゃダメ!」という事がないです。
数学や物理は、学科に入ってから頑張ります......。はい......。

●「なぜ、文学部じゃなくて都市工学科なの?」
高2の私に「大学2年で東大工学部に進学を決めるよ」って教えても、はぁ?何言ってんのと言われる自信があります。
入学時は、特にどこの学部がいいとは決めていませんでした。強いて言うなら、哲学や現代思想が好きで、経済(とくに経営)も面白そうだなあという感じです。
大学の授業を受けている内に、経済は「おもてたんとちゃうわ!」と思い、どうやら「都市」や「地理」「緑地環境」あたりに自分の興味がありそうだと判明。
比較文化論として都市について研究してもいいし、とある地域を分析してもよいし(東大入試の地理に少し似てますね)、とある街の為に健康な森林をつくるのもいい。
一口に「都市に興味がある」といっても色んなアプローチがあるわけです。
文三だし、文学部社会学科に進学して都市社会学の研究をする道も考えました。
でも、実際に住みやすい街を設計したい!という気持ちが強く、それならばエンジニアしかないだろうと工学部を選択したというわけです。
とはいえ振り返ってみると、元々建築とか街とかが好きだったので、当然の帰結かもしれませんね。

受験生のみなさんは、「文一なら法学部、文二なら経済学部、理一なら工学部......」と考えているかもしれません。
しかし、18そこらで、大学の学部を決める事は難しいです。大学という場でどんな勉強がなされているかの情報は高校生だとほとんど入ってこないし、情報が不足しているがゆえに本当に自分のやりたい事と向き合うことが出来ない。
司法試験を受けて弁護士になる、医者になる、とはっきり決めている人も素敵ですが、少数派ですよね。大半の人はぼんやりとしか考えていないと思います。
東大では、進学振り分けで一年半かけてしっかり向き合うチャンスが与えられています。今、具体的にやりたいことが決まってなくても(決まってるよ!って思う人、決まっているようでいて結構心変わりします)、全然許されてしまうのです。

まあこんなお得な大学、めったにないと思います。

東大の最大の特徴である、進学振り分けのお話でした。
もし勉強が辛くなったら、東大に入れば、本当にやりたい事を突き詰められるチャンスを手にする事が出来るという話を思い出してみて下さいね。

熱く語ってしまいましたが、秋の模試を見すえてやるべきことをコツコツやっていきましょう!


コバヤシリサ


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