一般的に「天才」と呼ばれている人は、勉強やスポーツなどの圧倒的な能力や技術を身に着けており、周囲から憧れの対象になりがちです。

ほとんどの人が一度は「天才になりたい」と思ったことがあるでしょう。「天才」と呼ばれている人々は、「天才」という言葉に対してどのような価値観を抱いているのでしょうか？

今回は、ダヴィデ像や最後の審判などの作品を手掛け、「神の如き」とも称された、ルネサンス期を代表する芸術家であるミケランジェロの“Genious is eternal patience”という言葉から、彼の「天才」に対する価値観を紐解いていきます。

この言葉を意訳すると、「天才とは永遠の忍耐である」という意味になります。彼は幼少期から芸術に興味を示し、父親の反対を押し切って芸術の道を志します。そこで彼は才能を開花させ、多数の作品を依頼されるようになりました。

しかし、統治者の交代やイタリアの情勢に翻弄され、彼は何度も住居を転々とする生活を強いられます。それでも彼は作品の制作を続け、代表作「ピエタ」は「奇跡だ」とも評されました。彼は自分の能力を最大限に生かす方法を模索し、その方法を貫き通し続けたことで重要な功績を残しました。

彼は「天才」という言葉に対して、「どれだけの労力をつぎ込んだかを知れば、天才なんて呼べないはずだ」という言葉も残しています。努力することによって生まれる可能性の広さを教えてくれます。