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2026/08/11
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中谷宇吉郎は1900年に石川県加賀市で生まれた、昭和期を代表する物理学者・随筆家です。東京帝国大学理学部物理学科で学び、師である寺田寅彦から科学的な観察力と豊かな文章表現の薫陶を受けました。北海道大学教授に就任後、十勝岳の山小屋に籠もり膨大な天然雪の観察と写真撮影に没頭します。1936年には常温・常湿制御の実験装置を自作し、世界で初めて人工雪の結晶を再現・作製することに成功しました。結晶の形態が大気中の温度と水蒸気量によって決まる法則を解明した「中谷ダイヤグラム」は世界の気象学に燦然と輝く金字塔であり、優れた科学随筆も多数遺して62歳で没しました。
中谷は雪の結晶の一つひとつが、それが生成された上空の気象条件(温度と湿度)を正確に記録している事実を突き止めました。その長年にわたる集大成として1938年に出版された科学著書『雪』の結びにおいて、この詩的かつ科学的本質を射抜いた言葉が記されています。ただ冷たく美しいだけの雪を、上空の気象状態を今に伝える「天空からの便り」と読み解いた一説には、厳しい極寒の環境で一粒子一粒子と静かに真摯に向き合い続けた中谷の緻密な観察眼と、自然への深い情熱と愛着が凝縮されています。
受験生の皆さんも、普段の学習で目にする問題や公式、文章を単なるテストの解法として作業的に処理するのではなく、「そこに隠された意図や法則は何か」と好奇心を持って見つめてみてください。複雑に見える設問や難解な現象も、丁寧に向き合って構造を紐解けば、出題者や先人からの解き明かすべきメッセージ(暗号)として立ち現れてきます。表面的な丸暗記に留まらず、物事の奥底にある本質や仕組みに知的なワクワク感を持ってアプローチしていく姿勢を大切にしていきましょう。
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