江戸幕府を開いたことで知られる徳川家康の言葉とされています。

徳川家康は三河の土豪である松平家に生まれ、幼少期を尾張の織田家への人質として過ごしました。その頃に、家康は織田信長に出逢ったとされています。家康は、織田信長と共闘する中で頭角を現すようになりました。

本能寺の変で織田信長が亡くなった後は、戦国大名の一人として名を馳せるようになります。家康は、小牧・長久手の戦いで豊臣秀吉と対峙した後、全国統一を進める豊臣政権の傘下に下りました。豊臣政権下では五大老の筆頭として名を連ね、秀吉の死期が近づくにつれ、発言力を強めていくようになったといいます。

秀吉の死後、関ケ原の戦いで石田三成を破りました。豊臣政権の後釜争いに勝利すると、家康は征夷大将軍に任じられ、江戸幕府を開きました。その後、大阪冬の陣、夏の陣にて豊臣の残党を滅ぼし、政権の安定を図りました。家康は、晩年を大御所として駿府で過ごし、その長い激動の一生を終えることになります。

この言葉は勝つことが悪いということを意味しているわけではありません。勝つことは当然、価値のあることです。しかし、負けたとしても、その後の行い次第で価値があるものに変化することを意味しています。負けることを知らない人間は、負けた時に立ち直れないかもしれません。しかし、負けることを知っている人間は、同じような失敗を繰り返さないように努めるようになります。

時に人間は、勝利こそが正義で敗北は悪であると考える事があります。しかし、そんな敗北の中にこそ、成長のチャンスが隠れているのではないでしょうか。